――ソフトウェアベンダーがアップデートを要求する一番の理由が、セキュリティ面だと思うのですが、こうした問題はどのように対処しているのでしょうか。
ラヴィン: 確かにソフトというのは、それらが開発された当時はなかったセキュリティリスクが浮上してきます。ソフトウェアベンダーはそれをアップデートによって対処しようとするわけですが、われわれはそのリスクをカバーするために、顧客の既存のシステムでセキュリティを保護できるプロダクトを提供しています。その種類は幅広く、従来のレガシーのバージョンから最新のバージョンまで最先端のセキュリティを提供できます。
脇阪: こうした最新のソフトを導入する際に大事な価値判断は、その新しいシステムが企業にとって要るのか要らないのかという点だと思います。実は不要な場合でも、セキュリティを理由にしてアップデートをする場合も珍しくありません。
でもセキュリティは実は言い訳でしかなくて、われわれはそこを守るノウハウを持っています。皆さんが普段お使いのPCでも、本当は必要だとは思っていないにもかかわらず、例えばOSやブラウザの互換性を理由に、仕方なくアップデートをしているケースも少なくないと思います。われわれはそこを守れるというわけです。
こうした悩みをリミニストリートが解消することによって、企業経営者には、自社のITに何を求めるのか、何をしなければならないのかを純粋に考えてほしいと思っています。
――これまでセキュリティなどの理由によって、バージョンアップを渋々受け入れていた企業側のコストの問題。これは、実はエンジニアリングでカバーできるというわけなんですね。
脇阪: やはり常識にとらわれてはいけないと思います。最新バージョンにしてセキュリティパッチをもらって、新しいOSとブラウザにも対応する。これが世の中にまん延している「常識」だと思います。この常識から外れることは怖いことだと思いますが、実は解決できる問題なわけです。そして低コスト化を実現することで、企業も本業の部分にITの活用が可能になります。こうしたことは、かつての日本はやれていたんですよ。Suicaがその好例だと思います。
ラヴィン: 日本の自動販売機もすごいですよね。販売を自動化しただけでなく、在庫の確認から発注まで自動化が進んでいます。さらに今ではそのデータが貴重なマーケティングツールにもなっています。
脇阪: 今はなかなかこうした新しい技術が出てこなくなったように思います。こういった新しいテクノロジーが再び日本からもどんどん出てきてほしいですね。そこには、お金も人も時間も必要です。そこを誰かが作らないと、どんどん日本は沈んでいってしまう、そんな危機意識で臨んでいます。
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