「フルリモートだが、仕事の満足度は低下」 なぜ起こる?

» 2024年06月11日 09時31分 公開
[ほしのあずさITmedia]

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【概要】
ここ数年「DX」が叫ばれながらも、単なるデジタルツールの導入にとどまり、業務効率化や業務改革の効果が実感できないという事例が増えています。業務を効率化するためには、デジタル化とともに「業務設計」が欠かせません。作業の効率化ではなく業務プロセス全体の再構築を通じて実現する真のDXについてお伝えします。

 2023年5月のコロナ5類移行から1年以上が経過。出社にフルリモートにハイブリッドと、さまざまな働き方を各社が模索している。

 そんな中、5類化移行前から「フルリモートをしている」層の仕事への満足度は意外な結果となった。「満足度は変わらない」「以前よりもかなり不満がある」と回答した割合が7割を超えたのだ。5類化移行に「テレワークの比率が増えた」層では満足度が向上している。なぜ、このような違いが生まれたのか?

 財務・会計システムおよび経営情報サービスの開発・販売を行う、ミロク情報サービス(東京都新宿区)が実施した「バックオフィス業務に関する総合調査」から、そのワケを考えていく。

テレワーク バックオフィス業務に関する調査を実施した(提供:写真AC)

 まず、5類化移行のテレワーク実施率を見ていこう。28.5%の人がコロナ5類移行後、テレワークの比率が「もっと増えた」(5.3%)、「やや増えた」(23.2%)と回答した。一方で「やや減った」(10.8%)、「かなり減った」(9.4%)は合計20.2%で、テレワークが「増えた」企業の方が目立つ結果となった。

 回答者の属する企業を従業員規模別に比較すると、テレワークの比率が「増えた」層は、2000人以下の企業に多く見られ、2001人以上の企業では減少傾向にあることが分かった。

テレワーク コロナ5類移行後のテレワーク率の変化(ミロク情報サービス調べ)

 「この1年間の仕事への満足度の変化」も調査した。テレワークが「もっと増えた」「やや増えた」と回答した層は「以前よりも仕事に満足している」との回答が多かった。

 一方、5類化以前からフルリモートで働いている層の満足度は「変わらない」(57.1%)、「以前よりもかなり不満がある」(14.3%)と70%以上がマイナスの評価を下した。

テレワーク テレワークの比率の変化と仕事への満足度の変化(ミロク情報サービス調べ)

 「テレワークが増えた」層と「フルリモートで働いている」層の満足度には、バラつきがあることが分かった。なぜ、満足度に違いが出るのか?

「満足度」のギャップ 何が要因?

 「フルリモートで働いている」層の意見を分析したところ、「以前よりも満足できている」人は、全員が「業務効率化できている」(100%)と回答していることが分かった。

テレワーク フルリモートで働いている層の仕事の満足度とデジタル化(ミロク情報サービス調べ)

 「テレワークが増え、かつ満足している」という105人に「デジタル活用による業務効率化の傾向」を尋ねると、約8割が「効率化できている」(非常に効率化できたと思う:17.1%、多少は効率化できたと思う:62.9%)と答えており、全体の傾向(52.8%)を大きく上回った。

テレワーク 「テレワークが増え、かつ仕事に満足している」人のデジタル化による業務効率化の実感度合い(ミロク情報サービス調べ)

 ミロク情報サービスのグループ会社であり、組織・人事コンサルティングサービスを提供するトランストラクチャ(東京都千代田区)の坂下幸紀氏は「従業員の満足度向上につながる『デジタル化の推進』と『柔軟な働き方』について、個々の社員がポジティブに受け止めていける文化、風土づくりが重要」とコメントしている。

 調査は、財務・経理・人事・総務・労務などバックオフィス業務に関わる20〜70歳の男女445人を対象にインターネットで実施した。期間は2月19〜20日。

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