農業関連業者の倒産が急増している。帝国データバンクが調査結果を発表し、2023年度は81件の倒産があり、2000年度以降で最多だった2022年度(64件)を26.6%上回ったことが分かった。2024年度は4月に1件、5月に10件と計11件の倒産がすでに発生している。5月31日までの期間で、負債1000万円以上法的整理による倒産を調査した。
業種別で最も倒産が多かったのは「野菜作農業(きのこ栽培含む)」で24件。前年度比で118.2%と急増した。次点は「施設野菜作農業(きのこ栽培含む)」で、同160.0%増の13件だった。
特に目立ったのが、きのこ生産業者の倒産だ。肥料やおがくずなどの価格、生産施設維持に関わる燃料費などが高騰し、収益を圧迫したことが背景にある。
農業は事業初期段階で設備投資などの借入金負担が重く、収益化までの資金繰りがタイトになりやすい。コロナ禍前に創業した企業では、ゼロゼロ融資の返済が重荷となっているケースも多い。
こうした中、5月29日に食料・農業・農村基本法の改正案が参議院本会議で可決・成立。農業単体でなく、食品製造や流通とも連携し、適正な利益を確保できるシステムを生み出す動きも進むなど、持続的な環境構築の取り組みも始まっている。
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