なぜワークマンでは高機能ウェアを低価格で販売できるのか。この質問に、「3つのポイントがある」と松重氏は答えた。
「1つめは、1000店舗以上で販売することから1回のオーダー量が多いこと。ロット数が増えると単純に1点当たりのコストが下がります。2つめが、1年単位で工場に発注していること。工場の閑散期に製造できるのでコストを抑えられます。そして3つめは、作業服で培ったノウハウを生かしていること。新作の生地や加工技術も、創業時から積み重ねた経験がもとになっています」
高機能Tシャツはメンズサイズで展開しつつ、男女兼用として全店で販売している。ワークマンの女性向けブランド「ワークマン女子」でも、高機能Tシャツの売り上げは好調だという。
開発では「先に価格を決定してから機能を付加していく」方針を取っており、機能性をとことん追求するよりも、「顧客が買いたくなる価格」を優先して企画しているそうだ。Tシャツであれば780〜980円がボリュームゾーンとなる。
今後の高機能ウェアの展望を尋ねると、「作業中だけでなく日常的に着用できるデザイン性に注力するとともに、夏の悩みをすべて解決できる高機能ウェアを製作したいです。『Tシャツといえばワークマン』と思っていただけるよう、引き続き商品開発を行っていきます」と回答した。
近年、「作業着」と「普段着」の垣根がなくなりつつあり、作業着として販売されている洋服を普段着として着る人が増えているのだという。そうした傾向を踏まえ、よりシーンを選ばないデザイン性と機能性の両立を図っていく方針だ。
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