2024年の値上げ食品数が1万品目突破見通し 今秋に大規模な値上げラッシュ（1/2 ページ）

[コネムラメグミ，ITmedia]

　2024年に値上げする食品数が1万品目を突破することが分かった。帝国データバンクは、2024年7月以降の食品の値上げ動向と展望・見通しについて分析した。家庭用を中心とした2024年通年の飲食料品値上げ品目数の累計（主要食品メーカーのみ）は、11月までの予定分で1万86品目にのぼることが分かった。年間で1万品目を突破するのは、調査を開始した2022年以降3年連続となる。

帝国データバンクは、2024年7月以降における食品の値上げ動向と展望・見通しについて分析した（出所：photoAC）

　2023年の値上げ予定品目で1万品目到達が分かったのは1月だったが、2024年分では6月となり5カ月遅いペースとなっている。

月別値上げ品目数　推移（出所：プレスリリース、以下同）

　平均値上げ率は17.0％で、食品分野別では冷凍食品など「加工食品」が最も多く4519品目、次いでペットボトル飲料など「酒類・飲料」が2624品目、しょうゆ製品など「調味料」が1383品目だった。

食品分野別の値上げ品目数

値上げ要因は円安も大きく

　2024年の値上げ要因では、急速に進んだ「円安」の影響が大きい。2024年（1〜11月）に予定している値上げ品目のうち、「円安」要因の値上げは29.8％と、前年同時期の11.6％と比べ約3倍に拡大した。

値上げ要因の推移

　要因として最多の「原材料高」は91.7％で、特に春以降の値上げは原材料高の影響が大きく、猛暑や干ばつなど天候不順での不作でカカオ豆やコーヒー豆、オリーブ、オレンジなどの輸入果汁で価格高騰が目立った。

　2番目に高い要因だった「包装・資材」（67.0％）は、食品トレー容器などで値上げが相次いでいて、値上げ要因に占める割合は上昇傾向が続いている。