こうしたホラーエンタメを世の中に投入していく中、頓花氏はホラーの楽しみ方について、世代間で違いがあることに気付いたという。
「私は今42歳ですが、私より上の世代と下の世代で、ホラーの楽しみ方は違うという感覚はあります。上の世代は『ビビったら恥ずかしい』というマインドがとても強い一方、下の世代は恐怖の感情を表現・発散することに対し、ネガティブな感覚が薄い。
ホラーゲームの実況動画などに触れ、大きな声を出してリアクションするYouTuberやVTuberの姿に親しんできた若い世代は、ホラーの楽しみ方が自然とインストールされているのかもしれません」
“怖いもの見たさ”という欲求をくすぐる刺激的なホラーコンテンツ。若い世代をひきつける要因には、昨今の「考察文化」との親和性の高さも挙げられる。
「これはホラーに限らずですが、SNS上でコンテンツに対する考察を披露し合う文化が生まれ始めています。コミュニケーションの媒介としてこうした考察を楽しむことは、ホラーにおける楽しみ方の新たな特徴かもしれません。
ただ、制作側としては『考察しなくても楽しいし、考察するともっと楽しい』というバランスを意識しています。考察をメインにし過ぎると楽しみ方が限定されてしまい、新規のファンが入りにくくなってしまうので」
闇はコンテンツの成否を計る指標として、客数や売り上げなどに加えて、来場者へのアンケート結果やSNS上の反響も数値化。ユーザーの「満足度」を最も重要なKPIに設定しているという。
「われわれの事業はファンビジネスなので、闇が生み出すコンテンツに対する信頼を積み上げることが何よりも大切です。
SNSは“依存症レベル”でエゴサーチしており、積極的に感想を投稿してくれるファンの方が多いこともあって、ペルソナは高いレベルで認識できていると思います。
もちろん、KGIは売り上げ・利益なので『面白くて、なおかつ売れた』を目指すのですが、最低でも『面白さ』は担保するように常に意識しています」
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