CxO Insights

日立、生成AIの「伴走型支援サービス」開始 7つのメニューの中身は?

» 2024年07月23日 14時16分 公開
[ITmedia]

【注目】ITmedia デジタル戦略EXPO 2024夏 開催決定!

生成AIでデジタル戦略はこう変わる AI研究者が語る「一歩先の未来」

【開催期間】2024年7月9日(火)〜7月28日(日)

【視聴】無料

【視聴方法】こちらより事前登録

【概要】元・東京大学松尾研究室、今井翔太氏が登壇。
生成AIは人類史上最大級の技術革命である。ただし現状、生成AI技術のあまりの発展の速さは、むしろ企業での活用を妨げている感すらある。AI研究者の視点から語る、生成AI×デジタル戦略の未来とは――。

 日立製作所は、生成AIの導入から活用、価値創出を支える人材育成までを伴走型で支援する「生成AI活用プロフェッショナルサービス powered by Lumada」の提供を開始した。AI活用の豊富なノウハウや技術を活用し、顧客の課題解決やイノベーションの創出に貢献する。

顧客のの課題解決やイノベーションの創出に貢献

7つのサービスメニューの中身は?

 同社は、生成AIを活用した生産性向上を目指し、業務ガイドラインや生成AI共通基盤の整備、問い合わせ対応の効率化や機器設備の保守サポートなど、ITやOT(運用技術、Operational Technology)業務への適用を推進してきた。

 金融や製造、鉄道やエネルギーなど幅広い顧客と協創しながら、約1000件のユースケースを検証。検証で得られた「従業員の利用率向上」「生成AIの回答精度向上」「生成AI人財の育成」などのノウハウを活用して7つのサービスを展開する。

 「DX推進支援サービス」では、日立コンサルティングと連携しながら顧客の業務課題をヒアリング。最適なユースケースの選定や効果を引き出すための包括的なサポートを提供する。

「ユースケース実現性検証サービス」「生成AIアプリ開発支援サービス」「RAGアセスメントサービス」「RAGアセスメントサービス」の詳細

 「ユースケース実現性検証サービス」によるプロトタイプの簡易開発を通して、ユースケースの実現性を検証していく。これにより生成AIを現場に組み込んだ際の効果試算を詳細に把握し、最適な導入戦略を立てられる。

 「生成AIアプリ開発支援サービス」では、関連システムとの連携やシステム仕様の設計検討など、生成AIを業務に組み込んだアプリケーションの開発やテストを支援する。

 生成AIの回答精度を上げるためには、言語モデルによるテキスト生成に外部情報の検索を組み合わせることで、回答精度を向上させるRAG(Retrieval-augmented Generation、検索により強化した文章生成)を構築する必要がある。「RAGアセスメントサービス」による言語モデルの評価を検証し、さまざまな言語モデルの中から最適な言語モデルを提案する。

 さらに、AIの精度向上を目指し「RAGチューニング支援サービス」を提供。顧客のユースケースに合わせてRAGをチューニングする。「データ読み取り支援サービス」では顧客のデータをより活用できるように、図表を含む文書を生成AIが読み取れるようにテキスト化するという。 

「RAGチューニング支援サービス」「データ読み取り支援サービス」「人財育成支援サービス」の詳細

 研修やOJTを通じて、プロンプトエンジニアリングやRAG構築のスキルを習得できる育成プログラム「人財育成支援サービス」も用意した。継続的な業務改善と革新を実現しながら、組織全体の生成AIの活用能力を向上させることが期待できる。

 同社は今後、「ITだけでなくOTのナレッジや現場ノウハウも取り込んでいくことで、生成AIをフロントラインワーカーの業務の改善、技術・知識伝承などへ生かし、少子高齢化・労働人口減少により社会課題となる現場の人手不足の課題解決にも貢献していく」としている。

日立製作所の小島啓二社長(同社提供)

 同社の小島啓二社長は4月26日に開いた中期経営計画進捗説明会で、2024年度中に生成AIに対して3000億円を投資すると明言した。データセンターの整備に加え、人材育成や研究開発、生成AIに関連する企業のM&Aを進める方針だという。

 「生成AIへは、人材の強化やいくつかの会社を買収することも含めて3000億円くらい投資することを考えています。全く新しい事業分野というよりは、ソフトウェアやコールセンターなどの生産性向上などを中心にしています。次の展開ではエネルギーや産業系、鉄道などの社会インフラ事業に生成AIを活用して(直接現場で業務に当たる)フロントラインワーカーの効率性をいかにして上げるか。これをもう少し先の手として先行投資していくというのが全体的な考えです」(小島社長)

この記事を読んだ方へ 生成AI×ビジネスを見据える

 元・東京大学松尾研究室のAI研究者、今井翔太氏が「ITmedia デジタル戦略EXPO 2024 夏」に登壇。

 生成AIは人類史上最大級の技術革命である。ただし現状、生成AI技術のあまりの発展の速さは、むしろ企業での活用を妨げている感すらある。AI研究者の視点から語る、生成AI×デジタル戦略の未来とは――。

photo

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ