「配属ガチャ」は公務員にも? 入職後のギャップは「異動が多い」「17時に帰れない」職員の声を聞いた(3/5 ページ)

» 2024年07月25日 08時13分 公開

“定期的な異動”が障壁に

 配属ガチャと同様に多く見られたクチコミが、「定期的な異動」についてでした。長期雇用を前提とし、多くの部署を経験させることでゼネラリストを育成する「メンバーシップ型」の地方自治体。一方、キャリアの多様化や業務の専門化の観点から、専門知識を有するスペシャリストを志向する人材が増えています。

 数年単位で繰り返されるジョブローテーションは、スペシャリストを目指す人材にとっては希望するキャリアパスを歩む上で障壁ともなり得るでしょう。国家公務員は人材確保を目的に、職務内容を明確にした「ジョブ型」雇用の拡大が期待されていますが、地方公務員においても同様と言えるのではないでしょうか。

(出典:ゲッティイメージズ)

 「当然だが、幅広い経験を積むのには時間がかかる。その先に何があるのか(結局自分は何がしたいのか)は常に探し求める必要がある。でないと組織に人生が埋もれる。行政課題を高いレベルで解決できることは、今後の人生にとても役に立つ。ただし、専門的な経験を積みたいというのが志望理由であれば、コンサルなどに入社するほうが成長は早い。行政課題に向き合いたい人には、面白い職場(ただし成長は遅い)だと思う」(事務、男性)

 「地元を良くしていきたい、地元で安定して働きたいという理由で入職しました。振り返ると、もう少し専門性が付く企業を選べば良かったと思います。また、必ずしも全員に当てはまるわけではありませんが、公務員から民間への転職は困難で、将来の転職の自由度が下がるという点も意識しておくべきでした」(行政、男性)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR