人手不足や円安、原材料費の高騰などビジネス環境が大きく変化する中、経営戦略を変革しようとする企業は多い。亀田製菓もその一社だ。
「2022年に経営体制を変革し、国内の米菓に特化してきた従来の事業フェーズから、海外事業、食品事業に拡大して3つの成長エンジンでさらなる飛躍を目指しています」と亀田製菓の金子浩之氏(常務執行役員 管理本部 総務部長)は説明する。
変革しているのはプロダクトだけではない。「そもそも会社は人で成り立っている。人の成長なくして会社の成長はない」(金子氏)という考えのもと、自社の人材育成や採用、エンゲージメント向上といった組織づくりにも注力している。
本記事では、同社がITmedia主催のオンラインイベント「デジタル戦略EXPO」(2024年7月9〜28日)で明かした人事・組織戦略の講演から一部をお届けする。
いま人事領域では人的資本経営、リスキリング、ウェルビーイング、ワークライフバランス、働き方改革、賃金上昇など多くのトピックが乱立している。
金子氏はこうした状況に対して「本質的な議論の前にキーワードに対しての検討が求められてしまうと、表層的で内容の薄い取り組みを列挙して対応するケースも出てきます。キーワードに惑わされることなく、亀田製菓は経営に対して人事側から取り組むべきこと発信しています」と話す。
現在は重要課題として「技術者を中心としたグローバル人材教育」と「事業変革を推進する経営幹部の育成」の2つに注力している。
「専門性を持った人材や事業革新をリードする人材が活躍しやすくするために、自己啓発制度を充実させたり、新しいチャレンジができるような風土づくりを進めたりしています。併せてタレントマネジメントができるように社内システムの整備もしています」
自律自走する人材を育成するために、従業員の意識改革にも取り組む。
「自ら考えて行動する人材を育成するためには、本人がやりたいことに挑戦して、小さな成功体験や失敗体験をどんどん積んでいくことが重要です。この体験で得たものが、主体的に行動するための原動力になると考えています。挑戦に対して経営層は『お金は出すけど口を出さない』を合言葉にしています」
実際に社内外でさまざまな取り組みが生まれている。社外ではファンづくりを目的とした幼稚園や小学校でのイベントを開催したり、「柿の種」や「ハッピーターン」を使った飲食店とのコラボレーションメニューを開発。社内では他部署への社内インターンシップや、工場で出てくるコメの廃材を利用したアップサイクルの名刺を作ったという。
さらに亀田製菓は「仕事の時間だけでなく、従業員一人一人の人生における全ての時間の価値を高めて豊かな生活を送れる」ような改革にも力を入れている。
具体的にどのような施策を進めているのか。詳細はデジタル戦略EXPOの「人事・組織戦略」の講演でチェックしてほしい。講演では、亀田製菓の経営変革に呼応した組織づくりや人材育成の取り組みをより詳しく解説している。
デジタル経営戦略やAI活用、業務効率化など、10カテゴリーがそろった「ITmedia デジタル戦略EXPO 2024 夏」。ビジネスパーソンが“今”知りたいデジタル戦略の最前線を探求します。亀田製菓の人事・組織戦略を詳しく紹介する講演は、こちらから無料でご視聴いただけます。
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