だが入社したものの、最初は希望とは異なる部署に配属されることに(※)。製造業向けの部署ではなく、流通業界向けにLumada(ルマーダ、顧客のデータに光を当て、新たな知見を引き出すことで経営課題の解決や事業成長につなげる同社の事業)やDX関連のプリセールス活動を担当することになった。
「最初は戸惑いましたが、今振り返ると、この経験が製造業のDX推進を考える上で非常に有益でした」と阪本さんは語る。有益だと感じた点は次の3つだ。
これらを学ぶことができたことは、後のキャリアで大きな財産となったという。
(※)同社は現在「ジョブ型人財マネジメント」を推進しており、インターンシップの拡大やジョブディスクリプションを全社員に導入するなど、配属のミスマッチを減らす取り組みを進めている
そして半年後、希望通り製造業向けの部署に異動。ここで阪本さんは、Edgecrossコンソーシアムという400社以上が加盟する企業連合の活動に携わることになる。Edgecrossコンソーシアムは、製造業のデータ活用を推進する一般社団法人で、日立製作所を含む7社の幹事会社によって運営されている団体だ。
加盟企業にはアマゾンウェブサービスジャパンや日本マイクロソフトのような外資系クラウドベンダーから、国内のロボットメーカーやITベンダーまで、多様な企業が含まれる。阪本さんはワーキンググループ運営のサブリーダーとして、展示会やセミナーの企画・運営に携わった。
多数の企業が参加する展示内容をまとめていくことには苦労した。だが、展示会のグランドデザインに沿って各社と調整し、具体化していく過程には多くの学びもあったという。
「最も大きな学びは、お客さまにとってどんなメリットがあるのかを明確に訴求することの重要性です。単に他社と連携していることや、有名企業同士がタッグを組んでいることだけでは価値が伝わりません。お客さまにとっての具体的な価値を伝えられなければ、引き合いは生まれないということを肌で感じました」
例えば、データの可視化というテーマで行ったセミナーでは、初めは「データを可視化することで効率化につながります」という抽象的な説明をしていたが、反応は芳しくなかった。そこで、海外生産の監視や構造化について具体的な例を挙げ、データの可視化が納期遅延やコスト増加をどのように防ぐかを説明したところ、多くの問い合わせにつながったという。
こうした経験を通じて、顧客の課題に寄り添い、具体的な解決策を提示することの重要性を学んだと振り返る。
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