活況を迎えるインバウンド(訪日客)需要。インバウンドは日本滞在中にさまざまな体験や商品にお金を使う。「お土産」もまた需要の争奪戦が激化しているなか、訪日客から圧倒的な人気を誇るのがラーメンブランド「一蘭」の即席麺だ。その人気の実態や背景を一蘭(福岡市)に聞いた。
創業時から続く独自の「味集中システム」と、ラーメンづくりで用いる全ての素材を福岡県糸島市「一蘭の森」で一括製造するこだわりの味で、全国にファンを持つ一蘭。
カウンター席を半個室に仕切った「味集中カウンター」や、オーダー用紙で簡単に自分の好みの味わいにアレンジできる「オーダーシステム」などを特徴とし、国内78店舗、海外8店舗を構える(2024年2月時点)。
ラーメンが日本のグルメとして海外で定着した現在、一蘭はアジア圏からのインバウンドを中心に人気を博し、連日のように行列を成している店舗も見られる。同社担当者によると、「一蘭の独特な店舗レイアウトとオペレーションは、インバウンドからは『テーマパーク的』に映っている」という。2023年度の売上高は過去最高の355億6000万円を記録。コロナ禍前の288億円を追い抜いた。
海外進出として、同社は2013年7月に香港で初の海外店舗を出店。現在は中国、台湾、ニューヨークに実店舗を構える。海外店舗でも国内店舗と違わない品質を維持するために、水は特殊なろ過装置を使って日本の基準に合わせている。また、味の要となる「だし」「赤い秘伝のたれ」は福岡県糸島から海外に直送しているという。
こうした基準を満たせるエリアにのみ出店する方針のため、国内も含めて出店できない国や地域もあるそうだ。
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