一蘭のラーメンを自宅でも楽しみたいというファンの声に応えているのが、同社が独自に開発した即席麺である。
一蘭専属の職人とエースコック社の研究者らが試行錯誤を経て、2014年に一蘭ラーメンの名を冠した初の即席麺商品「一蘭ラーメン ちぢれ麺」の発売にこぎ着けた。2016年には乾麺の「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」を発売。コロナ禍直前の2018〜2019年ごろからインバウンドにも注目されるようになっていった。現在もインバウンド需要は伸びており、物販の売り上げにおける海外比率は、2022〜23年で約30%増と右肩上がりだ。
同社の物販データによると、外国人に売れている商品TOP3は「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート 一蘭特製赤い秘伝の粉付(5食入)」「一蘭ラーメン ちぢれ麺 一蘭特製赤い秘伝の粉付(5食入)」「一蘭 とんこつ」だという。
こうしたインバウンド人気を受けて、直営店では商品説明や商品に関するQ&Aを多言語で作成している。
加えて、マレーシアやインドネシアなど、一蘭が出店していない国へ一蘭の職人が出向き、お土産商品を調理して買い物客へ提供するイベントも実施している。「そこで一蘭の商品を食べた人の中には、日本へ旅行に訪れた時に『日本の一蘭を体験したい』と思う人もいるかもしれない」と一蘭の担当者は話す。
インバウンドも含めた現在の一蘭人気について、同社はあくまで「数字は追いかけず、味と利用しやすい店づくりにこだわった結果」だと話す。インバウンド需要が同社の中で確実に存在感を増しているなか、どこまで売り上げを伸ばせるか。
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