組織改革とインサイドセールスの地道な行動が功を奏し、インサイドセールスきっかけで1億円の案件を受注、新規受注件数2倍という成果を生んだ。ここまで大きな成果を生んだ背景には、2つの要因がある。
まず1つ目に、同社ではインサイドセールスを始め、全部門が同じKPIを共有していることが挙げられる。デジタルマーケティングもインサイドセールスもフィールドセールスも、全ての組織でKPIを受注額としている。佐村氏は「全員が同じ目標を持つ、それが一番大事だと思ってこだわっている」と力強く述べた。
会社にとって一番重要なのは、受注を獲得し、収益化することだ。各組織で別々のKPIを設定すると、各自が自分たちのKPI達成にのみ注力し、“インサイドセールスのためのインサイドセールス”のような状態が起こってしまうこともある。同社では「全員が同じ目標を追う」という方針を掲げることで、会社全体の目標達成に向けて各部門が協力する体制が構築できている。
2つ目は、マーケティングと営業の密な連携がある。具体的には、マーケティングと営業の責任者で週1回の会議を設け、リードのアサイン状況を確認。アサインされていない案件があれば、その理由を明確にし、必要に応じてアサインを行う。これにより、リードの取りこぼしを防ぎ、全案件に対して責任を持って対応する体制を整えている。
この結果、案件化率の向上や、明確な理由なくリードが消えてしまうような事態の防止につながった。「小さい案件はやりたくない、といったことがなくなった」という。
こうしたリード情報の共有が徹底できた背景には、CRMの活用にある。佐村氏は「基本的にはインサイドセールスと営業が見るシステムはCRMで統一している」とし、「CRMを中心に、MAツールや名刺管理ソフトなど複数のツールが連携されている」と話す。
CRMを見れば営業は詳細なリード情報を確認し、マーケティングも営業活動の進捗を把握できる。このCRM中心のアプローチにより、部門間の情報共有がスムーズになった。
今後の展望について聞くと、佐村氏は「半年後、1年後のインサイドセールスの姿を意識して、扱う商材も体制も変化させていく必要がある」と述べた。
しっかりと成果を出していくためには、マーケットの状態を見定め、売れる時期やサイクルを意識しながら、マーケティングやセールスの施策を展開させていくという。
NTTPCコミュニケーションズのインサイドセールス組織は、市場の変化に柔軟に対応しつつ、社内の他機能との融合を通じて、さらなる価値創造を目指す。組織の継続的な進化と機能の最適化によって、顧客ニーズにより効果的に応えていく骨太な体制がつくられていくことであろう。
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