AIと共存する営業組織の再設計:「管理から収益」への価値転換
【開催期間】2024年7月9日(火)〜7月28日(日)
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【概要】
AIは急速に進化し、2040年には多くの営業業務を代替しうる。では企業は何に投資し、何に取り組むべきか?本講演では、AI が営業組織に及ぼす影響、管理から収益目的へのテクノロジーの転換、具体的な対処法等 人とAIの共存に関する最適解をご紹介。
THE MODELで紹介された新しい営業職種であるインサイドセールス。大手企業からベンチャー企業まで多くの営業組織で採用され、現在もインサイドセールス組織の立ち上げや改善があらゆる企業で行われている。
AIやセールステック導入の高まりから、最近はこのインサイドセールスの在り方に変化が起き始めている。筆者は、テクノロジーの進化によってインサイドセールスの業務は9割自動化すると予想している。今後さらにAI活用が進むことが予想される中、人間が担うべき役割はどう変化するのだろうか。
インサイドセールスの仕事はどんなものか。簡単に業務の流れを説明すると、(1)架電対象となるリスト作成し、(2)トークスクリプトを検討し、(3)然るべきタイミングで架電、(4)アポ有無問わず架電結果をSFAに登録する――という手順である。架電数を担保しつつ、いかに顧客にカスタマイズされた質の良いセールストークを行い、効果的な商談を設定できるかが成功の鍵である。
これらの基本業務である「誰に、何を、いつ話す」、そして最後に「SFAに履歴登録をする」という仕事は、AIとセールステクノロジーによって9割自動化するだろう。
まず、誰に架電するかを決めるリスト作成は、セールステクノロジーによる自動化が進んでいる。例えばユーザーベースが提供するマーケティングプラットフォーム「FORCAS」やインテントセールスSaaS「Sales Marker」のようなツールは、AIで自動的に架電対象として相性の良い企業をリスト化する機能がある。
この生成されたリストでは、統計的に優位なアプローチ先になり得るものが計算されてリスト化されているので、いたずらに架電をするより効果は高い。
米国の先端的な企業では、自社で保有するリスト(ハウスリスト)と、外部のリスト(LinkedInなど)を組み合わせ、それらをAIで優先度付けして、反応率が高いと思われる企業にインサイドセールスのアプローチをしている。つまり、リスト作成はほとんどAIで自動化されていくのだ。
インサイドセールスにおいてはSFAにたまっているデータなどを加味して、顧客に合わせてカスタマイズされたセールストークを行うことが鉄板である。しかし、実態としては架電数をこなすためにテンプレートのトーク内容をこなし続けてしまうケースのほうが多い。一社一社、顧客データを見てカスタマイズされた会話をすることに手間がかかり、難易度が高いからだ。
しかし、このトークのカスタマイズは生成AIにより自動化できる。生成AIはOpenAIやGAFA含むさまざまな会社が開発しており、常に進化している。各社の最新バージョンのツールを触り、現時点で最も回答精度が高いものを利用するといいだろう。2024年段階では、元OpenAI社員が設立したスタートアップAnthropicの「Claude3」の精度が非常に高いと筆者は考えている。
PDFデータをアップロードして生成を依頼できるため、自社の製品資料から自由自在にインサイドセールスのトーク生成が依頼できる。
生成AIの活用のコツは、1回で完成版を作ってもらうのではなく、複数回のラリーの中で適切な情報や期待するアウトプットを細かく調整して、精度をあげていくことである。
難しいプロンプトを知る必要はなく、部下に指示をするように、気を付けてほしいポイントを命令すればいい。インサイドセールスであれば、「口調、トークの長さ、押さえたいキーワード、相手と自分との対話比率、ヒアリング内容、クロージング時のアクション」などを期待するアウトプットが出るように命令する。
例えば「大手通信会社相手なので固めな口調で、トークは役職者なので端的に、先方が参加されたセミナータイトルや中身を押さえながら、ヒアリングをやや多めにし、組織的な課題を中心に確認しつつ、最後は無料相談会の参加に促してほしい」という命令で、インサイドセールス用のトークを依頼する。すると、この期待値にあったセールストークが生成される。
架電をするときに、自分でトークを考えるのではなく、そのもとになる情報や方向性を依頼して生成AIにトークを作ってもらえれば、「何を話すか」は自動化される。
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