帝国データバンク(東京都港区)が行った「人手不足に対する企業の動向調査」で、正社員が「不足」と感じていると答えた企業は51.0%と半数以上であることが分かった。7月時点における従業員の過不足状況は前年同月比で0.4ポイント低下したものの、高止まりが続いている。
一方、非正社員が「不足」と感じている割合は28.8%で前年同月から1.7ポイント低下し、7月としては2年ぶりに3割を下回った。
正社員の人手不足割合を業種別にみると、最も割合が高かったのは「情報サービス」で71.9%だった。唯一の7割超となり、人手不足感が際立っていた。次いで「建設」(69.5%)、「メンテナンス・警備・検査」(65.9%)、「旅館・ホテル」(65.3%)、「運輸・倉庫」(63.4%)が続いた。
最多だった「情報サービス」を月次ベースでみると、8割に迫った年初からは若干低下しているものの、依然として7割を上回る高水準となっている。帝国データバンクは「IT業界は旺盛なDX需要によって景況感も好調であり、今後も堅調な需要の拡大にともない人手不足は長引くと見込まれる」とコメントしている。
また、企業からは「ソフト開発案件は首都圏を中心とした案件が地域に向けても多く出ているが、スキルマッチした要員が不足しており受注に至らない」「人手不足が原因で、引き合いも増えている中でお断りすることも多く、新しいことにチャレンジする時間も確保できない」などの声も多く聞かれたという。
2位以下を見ても6割台が続き、人手不足は深刻のようだ。いわゆる「2024年問題」に直面している「建設」は69.5%で7割に迫った。北海道の企業からは「大規模工場や大型再開発事業の影響で、地場の建設業者は大変な状況」という声や、大阪の企業からは「大阪府の建設業者全般を見渡すと万博工事の影響により、人手不足や資材の高騰に悩まされている業者が大多数」といった、各地の異なる事情を映した声もあった。
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