企業の人手不足が日増しに深刻化している。帝国データバンクの調査によると、正社員の人手不足割合は51.0%に上る(PDFより)。
この中でも「メンテナンス・警備・検査」「建設」を上回り、最多の人手不足割合となる71.9%を記録したのが「情報サービス」(IT企業)だ。全業種の中で唯一7割を超えており、システム開発の案件が増加する一方、ITエンジニアの不足により対応が難しい企業も出ているという。
パーソルホールディングスが実施した大企業の採用動向に関する調査から、採用における課題や、応募が集まらない企業が取り組んでいる対策が明らかになった。
前年と比較した際の「採用見込み数の増減」を調べたところ、「増やす」と回答した企業は新卒採用(大幅に増やす:16.1%、やや増やす:37.3%)、キャリア採用(大幅に増やす:13.3%、やや増やす:42.5%)、エンジニア採用(大幅に増やす:12.2%、やや増やす:43.5%)ともに半数を超えた。
採用目標に対する充足状況を尋ねたところ、「充足できている」が「充足できていない」を上回ったのは、新卒採用(充足できている:55.8%、充足できていない:44.2%)と障がい者採用(充足できている:57.0%、充足できてない:43.0%)のみだった。
キャリア採用(充足できている:46.4%、充足できていない:53.5%)とエンジニア採用(充足できている:42.5%、充足できていない:57.5%)は、充足できていない企業の方が多い結果となった。
次に「採用における課題」として、新卒採用・キャリア採用・エンジニア採用を行う企業の多くが「応募数が集まらない」(新卒採用:19.9%、キャリア採用:22.5%、エンジニア採用:21.9%)を挙げた。特にキャリア採用とエンジニア採用は2割を超えており、大きな課題であると言える。
その他、新卒採用での「入社後の早期離職者が多い」(20.3%)や、キャリア採用での「応募者と求める人材とのミスマッチ」(20.2%)なども20%を超えた。
ターゲット層を採用するための施策として、実施率が最も高かったのは「給与水準の引き上げ」で、新卒採用が29.7%、キャリア採用が29.6%、エンジニア採用が34.4%、障がい者採用が24.8%だった。エンジニア採用は特に高く、3分の1以上の企業が取り組んでいることが分かった。
その他は「労働環境・働き方の改善」(新卒採用:26.1%、キャリア採用:26.2%、エンジニア採用:24.3%、障がい者採用:23.3%)や、「採用ホームページの充実」(新卒採用:26.3%、キャリア採用:23.5%、エンジニア採用:24.0%、障がい者採用:19.8%)などの取り組みが上位を占めた。
調査は全国25〜69歳の人事関連業務担当者(直近1年以内)と、従業員500人以上の企業に勤務、もしくは経営している600人を対象にインターネットで実施した。期間は5月10〜13日。
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