音声データの活用を進める上で、セキュリティ対策も重要です。データの保管場所を慎重に選択し、漏洩(ろうえい)や悪用のリスクを防ぐ対策を講じる必要があります。また、個人情報の保護に関する法律を踏まえた音声データの活用に関するガイドラインの作成や、従業員のリテラシーを高める研修プログラムも求められます。
一歩先を行く対策として、他人の音声を模したなりすまし対策も重要になるでしょう。生成AIをビジネスに活用する社会になると、技術的に、他人の音声を模倣し、悪用することも可能になってしまいます。すでに画像の分野では著名人にそっくりな人を合成するディープフェイクの動画が作られています。
音声も同様に、他人の声を合成するディープフェイクボイスがあり、現状として、このような模倣を完全に見抜くソフトウェアはありません。自社で運用のルールや音声データの加工を制限するなどして防ぐ仕組み作りが必要となります。
今まで資産といえば、石油や金など換金性がある有形資産が主でしたが、これからのAI社会では、画像、テキスト、音声などのデータという無形資産を豊富に持つ企業が、資産を多く持つ企業と評価され、企業が独自に持つデータの価値は高くなっていきます。
日頃のコミュニケーションそのものが資源であるという意識を持ち、そのコミュニケーション自体を資産化することで、日本はAI時代における「資源国」になり得ると考えます。
根性論をなくす 人材育成を変革する「音声データ」活用法とは?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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