精魂込めてつくったラーメンがほんの少ししか手を付けられなかったのでキレた、という話ならば、「職人的なこだわりが強いのかな」とある程度は理解できるだろうが、こちらは「無料サービス」だ。
あくまで店側が「客足を伸ばす」という販促目的でやっていることなので本来、来店に結び付いてラーメンを注文した時点で目的は終わっているはずだ。
「食」にかかわる人間として、食べ物を粗末にする輩が許せないのもあるのかもしれない。だが、飲食店をやっていれば、客が体調、体質、体格、年齢、性別によって、食べる量が違うのは常識だ。特に女性客など「最初は食べられるかなと思ったけど、おなかいっぱいになった」と注文した食事を平らげられない人は山ほどいる。
それがうかがえるのが、食品ロスだ。2022年度の推計は約472万トンで、その半分の約236万トンは外食での食べ残しや商品の売れ残りなど「事業系」となっている。全国で無料ライスを提供する飲食店の「客が食べずに余った米」もかなり含まれているはずなのだ。
こういう「外食の食べ残し」が大量にあふれる現実の中で、なぜ「無料ライス」を残した人だけを問題視するのか。素直に不思議に思うことだろう。
「家系ラーメン店が客の『ライス残し』に血眼で激怒する『切実な理由』…有料にしたくてもできない、という本音も」(現代ビジネス 2024年10月18日)によれば、この背景には「物価高騰」があるという。
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