それは客の「まくり」のためだ。
ご存じの方も多いだろうが、ラーメン界ではスープを一滴残らず飲み干すことを「まくり」と言う。競馬の「まくり」(最後の直線で一気に順位を上げる脚質、戦法)という言葉からきているそうだが、諸説ある。
そんな「まくり」をラーメン店側もかなり重要視している。それは自分が丹精込めてつくったスープを飲み干してほしいという「職人のプライド」もあるが、実は「コスト削減」の意味合いも強い。
客が残したラーメンのスープを、そのまま下水にジャーとやるわけにはいかない。豚骨スープなどは冷えて固まると排水管の中で詰まってしまうし、自然環境への悪影響もあるからだ。
グリストラップ(油脂分離阻集器)というものを設置して、そこを通して処理しなくてはいけない。機器なので当然、定期的に専門業者に清掃してもらわなくてはいけない。ただ、これは「義務」ではないので、設置していない店もある。そういう店の場合、スープを固めて産業廃棄物処理業者に引き取ってもらわなくてはいけない。
つまり、いずれにせよ食べ残しのスープが余れば余るほどラーメン店の「コスト」として重くのしかかるのだ。
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