オンライン試験で「カンニングしたことがある」45%、AI使用者も

» 2024年11月22日 11時24分 公開

 ビジネス能力・技能に関する認定試験の開発・主催を行うサーティファイ(東京都中央区)は、2024〜26年卒業予定のオンライン就活経験者を対象に実態調査を行った。その結果、調査対象者の45.5%が、自宅などで受験したオンライン試験で「何らかのカンニング」を実行したと回答したことが分かった。

photo サーティファイは「オンラインによる就職活動」についての実態調査を行った(出所:photoAC)
photo オンライン試験で実行したことがあるカンニング(複数回答)(出所:プレスリリース、以下同)

 オンライン試験で行ったカンニングとして、最多は「スマートフォンで検索や参考資料を見た」(104人、17.6%)だった。以降、「PCやタブレットで生成AIを使用した」(68人、11.5%)、「PCで検索や参考資料を見た」(65人、11.0%)が続く結果に。

 特に生成AIを利用した不正行為は合わせて19.3%に上り、生成AIの普及により不正行為がより手軽になった可能性が示された。

 「何らかのカンニングをした」学生の比率を卒業年別に比較した。2024年3月の卒業者で「何らかのカンニングをした」と答えた人は53.6%(96人)、2025年3月卒業予定者では39.4%(117人)、2026年3月卒業予定者では48.7%(56人)となった。

photo 経年ごとの「何らかのカンニングをした」学生の比率

カンニングを行った企業から内定を得たことがある?

 カンニングを行った269人のうち、62.5%(168人)が「カンニングを行った企業から内定を得た」と回答。オンライン就職活動者全体で見ると、28.4%がカンニングで内定を獲得していて、企業が不正を見抜けていない現状がうかがえた。

photo オンライン試験でカンニングを行った企業から内定を得たことがあるか

 調査元のサーティファイは、「不正行為が見過ごされることは、公平で透明な採用活動を損ない、企業が本来採用すべき優秀な人材を見逃すリスクを高める。さらに、不正を行った応募者が社員として入社することで、企業内にコンプライアンスの問題が持ち込まれ、企業のガバナンスやブランド価値に長期的なダメージを与えるリスクが高まる」おそれがあるとコメントしている。

 調査は、オンライン就職活動経験者 (2024〜26年卒業予定) を対象に、インターネットで実施した。期間は10月16〜18日、有効回答数は591人(2024年卒179人、2025年卒予定297人、2026名卒予定115人)。

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