そこで開発担当者が思い付いたのが、ポリカーボネート板だった。ヒーターを邪魔しないよう、ふくらはぎ部分の左右と真ん中の3カ所に、弾力性があるポリカーボネート板を搭載。その結果、座っていない状態のときは、ふくらはぎ部分はピンと伸びているものの、座るとそれぞれの姿勢や足の角度に合わせて自然にフィットするようになった。
また、本体後部の左右には、60センチのひもが付いている。このひもをイスに結び付けることでしっかりと固定でき、座っている時や立ち上がった時に、椅子からずれにくくする効果があるという。
広報担当者によると、もともとのコンセプトは電車の座席をイメージしたものではなく、ふくらはぎを温める暖房器具だったという。試作品を社内で試したところ、ある社員から「まるで電車の座席みたい」との発言が。この一言がきっかけとなり、商品名や販促時のコンセプトが決まったという。「『ふくらはぎを温める』だけでは商品をイメージしづらいと感じていました。商品を表す的確な一言だったと思います」(広報担当者)
電車の座席らしさは色にもあらわれている。もともとはグレー1色のみだったが、電車の座席を連想させるレッドを追加し、2色展開とした。
今年は猛暑が長く続いた上、11月に入ってもなかなか気温が下がらなかった。あったかグッズにとっては不利な状況が続いたが、広報担当者は「寒さが本格化し、暖房器具が売れ始めるのはこれから」と期待を寄せる。まるで電車の座席ヒーターは、消費者の支持を得られるか。
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