長野氏によると、観光地付近の住民による不安や不快は、混雑する場所で顕著に現れるという。その解消のため、角和町長は今後「駐車場利用税」と「宿泊税」を導入し、オーバーツーリズム対策の財源とする予定だと話す。
駐車場利用税は青い池の駐車場にて、通常の利用料に加算する形で徴収する。普通車は現在500円だが、1000円の税を加算して1500円になる予定だ。駐車場利用税の導入に関しては以前から報道されており、SNSでは「もう行かない」「高すぎる」などの意見が散見された。しかし、それこそが対策の狙いといえる。
昨今、美瑛町だけでなく、国内の観光地で入場料の導入や値上げが進む。多くの消費者からは否定的な意見があるものの、有料化や値上げは質を向上する効果がある。例えば、東京ディズニーリゾートは値上げや年間パスポートの廃止によって、チケット以外の物品・飲食販売が増加し、客単価が大幅に上昇した。
他の観光地でも、有料化によってゴミ捨てなどのマナー違反が大きく改善した例はある。一部の反対こそあれ、美瑛町の取り組みも不安と不快、不利益の解消に貢献するはずであり、他の自治体も続くだろう。
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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「オーバーツーリズムは“悪化”している」 星野リゾート社長が感じた危機感Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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