なぜそう考えるのかというと、ユニクロの今後の成長シナリオや同社をとりまく競合の動向などを踏まえたら、このタイミングで「新疆ウイグル自治区の綿花」問題をクリアにしておくことが、どう考えても「ベスト」な経営判断だからだ。
「はあ? 中国で不買運動が起きてベストもへったくれもあるか、失言だよ、失言」と思うだろうが、それは「中国市場」しか見ていない結論だ。
実は今、ユニクロが成長していくうえで中国と同じくらい、いや、場合によってはそれ以上に力を入れている市場がある。欧州だ。
2024年8月期の連結決算で、欧州事業は「異常」なほど急成長している。売り上げ高は前期比+44.5%の2765億円、営業利益は同+70.1%の465億円である。これは円安だなんだという小手先の話ではなく、欧州の消費者の間で、ユニクロというブランドの価値が急上昇しているからだ。
きっかけは昨年、英国在住のインフルエンサーがユニクロのラウンドミニショルダーバッグを紹介したTikTokが話題を呼んだことで、EU圏でユニクロ人気が上昇。2024年4月、英国エディンバラに出した店舗は午前4時から約700人が開店を待った。
このようなユニクロブームについて、米国の経済誌『FORTUNE(フォーチュン)』は、コロナ禍のリモートワークからリアル出社に切り替わり、ファッションも仕事とプライベートの両面を意識しなくてはいけなくなった欧州のZ世代が、ユニクロを評価し始めたと分析している。
そんなブランド価値爆上がりの欧州は、これからユニクロが世界一のアパレル企業になるために必要不可欠なマーケットと見ているのだ。
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