ユニクロの柳井氏は、なぜ「ウイグル綿花問題」を語ったのか 中国で炎上しても欧州を選んだ理由スピン経済の歩き方(5/8 ページ)

» 2024年12月04日 07時16分 公開
[窪田順生ITmedia]

グループ全体で10兆円を目指す

 先ほど紹介したように2024年8月期、欧州で大躍進した結果、ユニクロはグループ全体で初の売り上げ3兆円を突破した。しかし、柳井会長の野望はこれで終わらない。決算会見の場で、毎年5000億円ずつ売り上げを伸ばして、いずれ10兆円を目指すと宣言したのである。

 なぜこんな強気な目標が立てられるのか。「欧州」の存在である。

外国人にも人気のユニクロ(画像はイメージ、出典:ゲッティイメージズ)

 日本のインバウンドにもいえることだが、欧州の消費者は購買力が高い。それは欧州ユニクロの売り上げを見ても明らかだ。

 欧州には2024年8月末時点で76の店舗がある。売り上げ高は2765億円なので、1店舗当たり36億円稼いでいることになる。一方、日本は797店舗で売り上げ高が9322億円なので、1店舗当たり11億円。「稼ぐ力」が3倍以上なのだ。

 実際、2023年9月〜24年2月期の間で、ユニクロ店舗(全世界)の売り上げ高ランキングを見ると、トップ10の中に欧州店舗が4つも入っている。

 つまり、このまま「稼ぐ力」のある欧州ユニクロが順調に成長して、ZARAやH&Mなどのポジションを奪うことができれば、柳井会長が掲げる売り上げ10兆円も夢ではないということなのだ。

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