ローソンが年末年始商戦の発表会を開催した。2025年の元日に向けて、同社はおせち商品のアイテム数を約2倍に拡大。同社史上最高額となる「5万円」のおせちも用意するというが、どのような狙いがあるのか。
今回ローソンが展開するおせちは15品目。中でも最高額となるのが「厳選国産食材使用 和風おせち三段重 至極」(5万円)だ。人気の数の子など、見た目も華やかで高級感のある食材をふんだんに使用した。2024年の同社のおせちで最高額だったのは「4万3000円」だったので、7000円高くなる。
近年、「食品アクセス問題」が社会的課題となっている。農林水産政策研究所の調査によれば、食料品へのアクセスに困難を抱える人(店舗まで直線距離で500メートル以上、かつ、65歳以上で自動車を利用できない人)の数は、2020年時点で904万人と推計されており、65歳以上の4人に1人が該当する。
コンビニは全国に物流網もあるという特性から、こうした地域の住民が利用しやすい買い物場所として注目されている。ローソンも小売店が撤退した地域を対象に、生鮮品などを充実させた「地域共生コンビニ」の出店を進めるなど、地方の消費者向けの施策を強化している。
2024年のローソンのおせちも、関東や近畿といった大都市圏での販売実績は比較的低い一方、北海道や中部など、百貨店などの競合にアクセスしにくい消費者が多いエリアでは高くなった。こうした地域では、4万3000円の「最高額おせち」も好調だったという。
担当者は「東京近郊に住んでいると専門店などの競合が多いので、コンビニでの予約は正直、少ないと思います」と前置きしつつ「思い切ったチャレンジではありますが『(普段は節約していても)お正月はいいものを食べたい』というニーズはありますし、5万円は百貨店なら普通の価格帯で、もっと高い商品もたくさんあります」とコメント。百貨店水準の価格帯でも地域によっては十分にニーズが見込めるとして、地方消費者に対し「日用品だけでなく、ハレの日の商品もご購入いただけるよう取り組みを強化していく」という。
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