なぜ、イケアは激安“50円”ソフトクリームを提供するのか?マーケティング戦略を考察(3/4 ページ)

» 2024年12月17日 18時19分 公開
[金森努ITmedia]

4. メンバーシッププログラムによる囲い込み

 イケアはメンバーシッププログラム「IKEA Family」を通じ、顧客との長期的な関係構築を図るとともに、特別価格で提供することで来店を促している。

 フードメニューの満足度が高い顧客は、店舗を「食事も楽しめる場所」として認識し、定期的に来店するようになるため、継続的な売り上げが期待できる。

5. 口コミを通じた紹介

 50円のソフトクリームやリーズナブルな北欧料理は口コミやSNSで広まりやすい。

 また、顧客が家族や友人に紹介することで、新規顧客の来店が期待できる。これにより、新規顧客の獲得と売り上げの拡大を見込むことができる。

顧客の動きを意識した店舗設計

 イケアの店舗は巨大であるため、顧客は長時間店内に滞在する。これに伴う疲労や空腹感を解消できるフードメニューは、顧客にとってありがたい存在だ。

 イケアは店舗の出入口付近にレストランを設け、買い物を終えた顧客が立ち寄りやすくしており、購買後の満足感と再訪意欲を高めている。

 顧客の動きを意識した店舗設計で、顧客体験を最適化しようとするイケアの姿勢が見て取れる。

食事を通じ「北欧ブランド」の浸透も

 さらに、「北欧らしさ」を体現したフードメニューで、顧客に北欧のライフスタイルを体験する機会を提供している。

 これにより「北欧発」というブランドの一貫性を高めてもいるのだ。

冬の鴨のコンフィ トマトクリームソース(1190円)
冬のプラントベース ロールキャベツトマトリゾット風(890円)
冬のプラントベース チキンサラダ(490円)

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