もはや「300円ショップ」ではない? 踊り場にいた「3COINS」が再成長した背景(2/3 ページ)

» 2024年12月21日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

脱・カワイイ路線を進める

 それなりの歴史があるチェーンが、同じやり方を続けて再成長するのは難しい。近年、3COINSは2つの大幅なリブランディングを行っており、これらの施策が再成長につながったと考えられる。その一つが「脱・カワイイ路線」だ。

 300円均一の雑貨店としてヒットした3COINSだが、2019年ごろには売上高の成長が鈍化した。以前の3COINSといえば、ピンクや水色など、かわいらしさを強調するカラフルな雑貨が多く、悪くいえば「あからさまに女性受けを狙った」ような品ぞろえであった。競合の台頭もあり、消費者はこうした路線に飽きたとみられる。

現在はシックな色の商品がほとんどだ

 その後、アプリで30〜40代の支持を受けていることが判明すると、同社はかわいらしさをイメージさせる路線から、商品の実用性を重視する路線に切り替え、商品のリブランディングを行った。具体的には、金属や木目、単色などシックな色合いで使い勝手のよさそうな雑貨を取りそろえた。現在の店舗で色味の強い商品は少なく、かつてのかわいらしさを打ち出したようなコーナーは限定的だ。店舗のイメージカラーも、以前の明るい黄緑色から現在の淡い抹茶色に変更した。

かわいらしさを打ち出すような商品が減った

大型店「3COINS+plus」への転換

 脱・カワイイ路線の他に実施したのが大型店「3COINS+plus」への転換だ。以前の3COINSは60〜70坪程度だが、3COINS+plusは100坪以上の面積があり、9月のオープン時点で「国内最大店舗」をうたったイオンモール広島府中店に至っては約280坪である。

 どのような違いがあるのか比較するため「3COINS プラーレ松戸店」と「3COINS +plus 西銀座デパート店」を訪れた。

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