全国の児童・生徒1人に1台のコンピューターと高速ネットワークを整備する「GIGAスクール」構想以降、端末の利用率は94%と全国的に普及している──。ICT市場調査コンサルティングを手掛けるMM総研(東京都港区)が、中学3年生から大学生1200人を対象に実施した「生徒による学校でのICT端末の利用動向調査」で分かった。
GIGAスクール構想は文部科学省によって2019年度にスタートした。2021年度にはほとんどの公立中・小学校で「1人1台端末」を活用した授業が始まっている。
MM総研のプレスリリースでは、授業で端末を利用している中学3年生と高校1年生を「GIGA世代」、GIGAスクール環境が整う2020年度以前の世代で現在大学生である回答者を「非GIGA世代」と定義した。
中学校でPCやタブレットを利用して学習したGIGA世代の割合は94%で、非GIGA世代38%を56ポイント上回った。
端末を使った学習に対する生徒の満足度については、GIGA世代が75%、非GIGA世代が36%と、39ポイントの差が開いた。GIGA世代は端末の利用率に加え、学習への満足度も高まっている。
PCやタブレットを使った学習の効果として、GIGA世代で「PCやタブレットを使った学習の方が楽しい」と回答した割合は38%。非GIGA世代の30%を8ポイント上回った。
また「グループワークやペアワークが増えた」と回答したGIGA世代は31%で、非GIGA世代の17%を14ポイント上回っている。PCやタブレットを活用した学習は、学習意欲の向上に貢献している可能性が高い。
新しい技術を積極的に取り入れる企業で働きたいかについては、GIGA世代は55%、非GIGA世代は48%と、7ポイントの差にとどまった。
「PCやタブレットを使った学習の方が楽しい」と答えた人のうち、デジタル職種に興味のある割合は61%と高く、「楽しいと思わない」と答えた人と比べると25ポイントの差が開いた。
MM総研は「PCやタブレットを使うことで、学習意欲が高くなった子どもは、IT関連の職業への興味も高い。学校でのPCやタブレットの活用が進むことで、将来的には、国内産業のIT推進や人材不足解消に寄与する可能性を期待する」とコメントした。
GIGAスクール構想、9割の市区町村が共同調達に参加意向 課題は?
教育業界で異例の“従量課金”ビジネス 子どもを「子ども扱いしない」UIの真意は?
そのDXツール、本当にいります? “情弱” 経営者にならないためのコツとは
松尾豊東大教授が明かす 日本企業が「ChatGPTでDX」すべき理由
マイクロソフト「Copilot+ PC」の衝撃 「AI PC」が起こす地殻変動
PayPay副社長「金融サービスのユーザー増やしキャッシュレスのトップに」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング