「どうして私が新人に説明しないといけないんですか? 私が新人のときは、こんなに手厚いフォローなんてなかったですよ」
「それに、あいつの態度が気に食わないです。親身になって説明しても、ありがとうの一言も言いませんからね」
このようにKさんが言うなら、問題の根は深い。Kさんに
「ちゃんと説明しろよ。これは君のミスだぞ」
と突き放してしまうと、問題をさらに大きくする。
このように上司は丁寧な対応が必要だ。「ミス」と聞くと、「うっかりミス」をはじめとしたヒューマンエラーしか思い浮かばない人は多い。しかし、そんな先入観を上司が持っていると、部下は安心してミスを報告しなくなる。
「自分のミスじゃないのに、責められるのはいつも自分だ」と思い込み、隠すようになる。
繰り返すが、上司はミスの種類を細かく分解し、部下と一緒に考えることだ。
「申し訳ございません。ミスが発生しました」
部下にこう言われたら、
「何やってんだ! またお前かよ」
「意識が足りないんだよ。ったく!」
と反射的に叱らず、
「分かった。対策をしたら、ミスの発生原因を一緒に考えよう」
と冷静に伝えよう。そうすることで、部下は安心してミスを報告できるようになる。これをキッカケに上司と部下は信頼関係を強めるだろう。もちろん部下の成長にもつながっていくはずだ。
「お前はどうしたい?」しか言わない上司の自己満足 「考えさせる風」コミュニケーションが招く悲劇
部下が相談する気をなくす、上司の無神経な「たった一言」
部下から「給料を上げてください」と言われたら、上司のあなたはどう返す?
「自責思考を持て」という“無敵論法”の危うさ 素直な若手ほど潰れるワケ
“残念な上司”が作る「会議資料」の特徴 ムダをなくす3つの改善策はCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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