無印、3COINS、ダイソーが大激突 雑貨店「500円戦争」のゆくえ(1/4 ページ)

» 2025年01月15日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

 300円ショップとして知られる「3COINS」が、最近は高価格帯の商品を増やし、4割が300円より高い商品となっている。大創産業が近年注力している「Standard Products」や「THREEPPY」も、完全な300円均一ではなく、より高価な商品も扱っている状況だ。良品計画も500円以下の日用品や消耗品を充実させた「無印良品 500」を展開しており、雑貨店市場は100円、300円をさらに超えて「500円戦争」となりつつある。

雑貨各社が「500円戦争」を繰り広げている(出所:ゲッティイメージズ)

 上述した雑貨店のうち最古参が3COINSだ。アパレル大手のパルグループホールディングス(HD)の300円均一店として、1994年に1号店がオープン。女性を中心に支持を集めた。以前は強く女性受けを狙ったようなカワイイ系の商品を前面に押し出して集客を図ったが、店舗網の拡大が鈍化した2019年以降は実用性の高い商品をそろえ、イメージを刷新した。

スリーコインズ、人気商品トップに550円や1000円以上の商品も(出所:スリーコインズ公式Webサイト、以下同)

 同時に店舗の大型化も進め、現在では商業施設内に出店する100坪以上の「3COINS+plus」が中心となっている。3COINS+plusでは、日用品やアクセサリー類、食器や調理器具などを幅広く扱う。レトルトやお菓子などの食品も販売している。

 3COINS+plusはもはやかつての「300円ショップ」と呼ぶには無理があるように思える。冒頭の通り4割が300円より高い商品だからだ。店頭に並ぶ商品の中には、3300円のコーヒーメーカーもある。「服・家具のない無印良品」といったイメージが近い。

スリーコインズ、3000円近いミキサーも用意

 とはいえ、物価高の昨今、300円ショップからの“値上げ”は比較的スムーズに受け入れられたようだ。2024年11月末段階で3COINS系列は336店舗、コロナ禍以前の200店舗から考えると大きく躍進している。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.