35万円の「お菓子の城」が完売 明治が重さ110キロの遊園地キットを販売した理由(2/2 ページ)

» 2025年01月18日 09時30分 公開
前のページへ 1|2       

コミュニケーションツールとしての可能性

 企画の背景には「手作りのお菓子を楽しもう」という同社の提案がある。「コロナ禍では、感染防止の観点から友だちと一緒に楽しむ、大人数で手作りを楽しむ経験が希薄になってしまった」と杉山さんは振り返る。アフターコロナでは、お菓子を通じたコミュニケーションを増やしたいという思いを込めた。

photo 多くの人がワクワクする遊園地をテーマにした

 「遊園地」というテーマも、前作の「お城キット」に対する反応が影響している。「子どものころからの夢がかなうような商品」という声が寄せられ、その期待に応えた形だ。開発段階では、ゲームの世界観など別テーマも候補に挙がったが、遊園地は多くの人がワクワクする共通のテーマと判断した。

 装飾を充実させたことで物量は増加したが、梱包方法を見直すことで、納品時の段ボールは昨年の16箱から15箱に減らした。各パーツごとの作り方と必要なお菓子を同封する。

お菓子を通じたコミュニケーションを増やす

 今回のキットは、パティシエ5〜6人が制作しても2日を要するなど、難易度は昨年より高くなっている。そこで、作り方の説明書は前作以上に丁寧な内容とした。同社のXアカウント「チョコレート大作戦」(@chocodaisakusen)でも作り方の公開を予定しており、市販の材料で一部分のみ作ることも可能だという。

photo 段ボール15箱分

 昨年は、人気YouTuberによる制作動画が話題を呼んだが、今年は新たな活用方法も期待している。「バレンタインは卒業シーズンも近いということで、学校などでクラスや部活のメンバーで費用を出し合い、思い出作りとして取り組んでもらえたら」(杉山さん)

 実際に、都立高校の生徒約150人が教室を借り切って制作に挑戦する取り組みも予定されており、その制作過程を公式SNSで公開する予定だ。同社は「来年も驚きやワクワクを届けるバレンタインの提案を続けていきたい」としている。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR