そして、プロジェクトは単なるフォルダ機能にはとどまらない。プロジェクト単位でカスタム指示を行うことも可能だ。これは、同じプロンプトをくり返し使っているケースで重宝する。
例えば、ドキュメントの内容をレビューする場合なら、チェックすべきポイントを「追加の指示」欄に入力しておく。以降は、プロジェクトの入力欄にテキストを貼り付けて送信するだけでチェックを行えるようになる。
同様のことはGPTsでも実現可能だが、プロジェクトのカスタム指示はより手軽に利用できるのがメリット。詳細な設定を行なう場合や、設定した回答ルールを他の人にも共有したいときはGPTsを作成し、比較的シンプルな指示で動かせるケースはプロジェクトを選ぶといった使い分けがおすすめだ。
なお、プロジェクト内の情報源としてファイルをアップロードすることも可能だが、現状では内容を正しく参照できないケースが多い印象だ。既存の資料をアップしてその内容について質問するような用途の場合、GPTsもしくは通常のチャットを利用するほうが確実だろう。
プロジェクトのチャットも、基本的に通常のチャットと大きな違いはないものの、記事執筆時点ではやや不便な点も残されている。
例えば、通常のチャットで検索機能を確実に使いたい場合、入力欄の「ウェブを検索」アイコンから指定できる。一方で、プロジェクト内の入力欄にはこのアイコンが表示されないため、プロンプトに「Webの情報を参照して」といった文言を含めることで指定しなくてはならない。
また、プロジェクト内ではチャットの共有機能が利用できず、プロジェクト単位で共有する手段も用意されていない。そのため、チャットを他のユーザーに共有する場合、そのチャットを一旦プロジェクトから削除して通常のチャットにした状態で共有リンクを発行する必要がある。
いずれも機能面に大きく影響するわけではないもの、地味に手間が増えてしまうので、今後のアップデートで解消されることを期待したい。
プロジェクトは、「大量の履歴から必要なチャットを探す作業」や「GPTsを使うほどではないルーティン作業」の効率化に貢献してくれる地味ながら利便性の高い機能。ぜひ有効活用していきたい。
AI検索「SearchGPT」リニューアル Google検索いよいよ不要に……?
フリー画像がどれもピンとこない……カンタンに使える画像生成AI「Adobe Firefly」活用法
AI検索、AIエージェント……2024年「生成AIトピック」を総ざらい 25年はどう進化する?
理不尽メールにイライラ……返信文を代わりに作ってくれる「AIチャット」を作ってみた
生成AIで文章校正 精度を高めるプロンプトのコツは?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング