自治体DX最前線

「せたがやPay」に現地決済型のふるさと納税機能 背景に世田谷区の“深刻な事情”

» 2025年02月13日 13時30分 公開
[ITmedia]

 世田谷区はデジタル地域通貨「せたがやPay」のアプリ内に、デジタル地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy」の新機能「ふるさと納税機能」を追加した。デジタル地域通貨事業を展開するフィノバレー(東京都港区)が提供する。

 せたがやPayアプリ内のバナーから寄付ページに遷移して行ったふるさと納税に対し、返礼品として即時「せたがやPayふるさとポイント」を付与する。約3000店舗が対象となる。世田谷区は、送料や仲介サイトへの手数料の負担なく、返礼品の提供が可能になる。

photo ユーザーはせたがやPayのアプリ内で納税手続きを行える

背景に深刻な「ふるさと納税流出」

 ふるさと納税機能によって、金融機関や行政は、専用管理画面から返礼品や寄付額、寄付履歴などの登録・管理やCSVダウンロードなどを行える。

 ふるさと納税の利用増加に伴い、2024年度の世田谷区の区民税流出額は111億円に上る。流出額は11年連続で増加し、都内自治体で最も多い一方で、地方交付税の不交付団体であることから国からの減収分の補填はない。

 寄付から返礼品ポイントの受け取り、利用までをアプリ内で完結できるよう利便性を向上させ、増収を狙う。

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