学習塾の倒産が相次ぐ中で、なぜ“業界のユニクロ”がじわじわ増えているのか(2/5 ページ)

» 2025年02月20日 08時00分 公開

手の届きやすい価格で高品質な教育を提供

 昨今、教育格差は広がりを見せている。文部科学省の「子どもの学習費調査」によると、公立中学生の学校外活動費は年間平均36万9000円。

 世帯年収による格差も顕著で、1200万円以上の世帯では年間62万1000円を支出する一方、400万円未満の世帯では26万3000円と、2倍以上の開きがある。

photo 公立中学校における学習費総額の推移(出典:文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果について)
photo 世帯の年間収入別の学校外活動費(出典:文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果について)

 同社が掲げる「学習塾版のユニクロ」という言葉には、どの教室でも同じ品質の教育を、手の届く価格で提供するという思いが込められている。コノ塾では、公立高校の受験を控える生徒には、5教科の個別指導を月額2万6400円で提供している。

 コノセルによると、東京都内の中学2年生の授業料と比べると約半分程度の価格だという(「1コマ50 分/月24コマ」と仮定して算出)。どのようにして、教育の質を保ちつつ価格を抑えているのか。その背景には、徹底的な「無駄の削減」と「品質へのこだわり」がある。

photo 徹底的に無駄を省き、教育サービスの向上に集中

 本社機能は必要最小限に抑え、教室にも高性能プリンターや豪華な応接室は置かない。「教育サービスの質を上げることに、すべてのリソースを集中させている」と田辺氏は説明する。

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