業務の効率化や作業の均衡化がより求められる時代において、研修の重要性はどのように位置付けられているのか。
識学が実施した「研修に関する調査」によると、20〜50代の会社員(10人以上の職場規模)の55.7%が「入社時に何らかの研修があった」と回答した。
新卒入社は76.3%だったのに対し、中途入社は40.3%と大きな差がみられた。職種別(母数100サンプル以上のみ)では、「研修がなかった」が「研修があった」を上回ったのは3職種のみで、「財務・会計・経理」「事務・総務」「生産・製造」が該当した。これはそもそもスキルのある人が就く職種のため研修が行われなかった、もしくは研修という形ではなく実践の中で仕事を覚えていくといったケースが考えられる。
実施された研修で最も多かったのは「オリエンテーション(会社の概要、ビジョン、ミッション、価値観、組織構成などを紹介する研修)」(77.0%)だった。以降「ビジネスマナー研修」(47.0%)、「現場実習(実際の業務を通じて、実践的なスキルや知識を学ぶトレーニング)」(40.5%)と続いた。
最も役に立った研修としては「現場実習」(26.0%)が挙げられた。2位は「オリエンテーション」(22.5%)、3位は「ビジネスマナー研修」(11.5%)という結果だった。
自由回答としては「分かったつもりでいたビジネスマナーをあらためて学習できた」(46歳女性/人事労務/中途)、「上司との接し方を実践的に行った。上司からかわいがられるようになった」((24歳男性/人事労務/中途)などが寄せられた。
入社時に研修を受けた人は、実際の業務にどの程度役に立っていると実感しているのか。「生かされている」(「非常に生かされている」「生かされている」の合計)と回答したのは59.6%だった。一方、残りの4割近くは実際に受けた研修が生かされているのか疑問に思っているのがうかがえる。
「生かされなかった」と回答した人からは「研修内容はあくまで基礎で、実際の業務で使うものはごく一部」(38歳男性/情報システム/新卒)、「会社についての説明だけだったから」(42歳女性/販売接客/新卒)などが挙げられた。
識学は調査を踏まえ、「会社には、多様な価値観や背景を持つ人材が集まる。そのため、『どのような価値観に基づいて行動すべきか』という指針の共有と、『最低限守るべきルールの明示』が不可欠。これを入社時に示さないと、個人が一生懸命がんばっても会社の求める方向とずれてしまい、結果的にうまく活躍できないリスクが高まる。この点で、入社時研修は非常に有効。研修によって新入社員が組織の価値観や期待を正しく認識すれば、成果を出しやすくなる」とコメントした。
調査は、20〜59歳の会社員(正社員)300人を対象にインターネットで実施した。期間は1月21〜22日。
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