50%を超える金融業従事者が生成AIを「全く使わない」──。そのような結果がソフトウェアやクラウドサービスを提供するアルテアエンジニアリング(東京都中央区)による調査で分かった。なぜ、金融業界では生成AIの活用が進んでいないのか。
生成AIを「あらゆる業務で利用している」金融業従事者は6%にとどまった。53%が生成AIを「全く利用していない」と回答し、金融業界では生成AIの利用が浸透していない現状が明らかになった。
生成AIを活用している業務については「文章の作成・要約」が最も多く、次に「情報の検索」で、「トレーディング情報などのデータ分析」に活用している人は8%だった。事務作業程度の使用がメインであり、リスク管理やデータ分析など高度な作業への活用ができていないことが分かった。
生成AIの活用目的について、45%が「あまりイメージが湧いていない」とした。金融業界全体で生成AIを活用する目的が明確になっていない、浸透していないなどの課題があると考えられる。
役職者の活用目的も「新規ビジネスモデルの開発」は7%、「トレーディング・資産・およびファンド運用業務での収益化」は3%となり、業務効率化の先を見据えた回答はそれぞれ1割に満たない結果に。役職者も生成AIを活用した最終的な目的を明確にできていないことがうかがえる。
半数以上の一般社員が、生成AIの活用による業務効率化が「全くできていない」ことが分かった。一方で、役職者の6割以上は「できている」とした。さらに3割は業務効率化以外にも生成AIを活用できているとした。
生成AIの導入・運用にあたり、外部の専門家からどのような支援が必要だと思うか。役職者では「生成AIの精度を上げるサポート」が最も多く、38%に上った。一方、一般社員で最も多かったのは「人材育成のための継続的なトレーニング」で36%だった。
調査は2月にインターネットで実施。金融業界で働く役職者および一般社員665人から回答を得た。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング