ベンチャーの採用責任者が抱く、事業部への不満 「採用後の人材活用計画が不十分」などの声

» 2025年02月27日 10時00分 公開
[ITmedia]

 採用や人事業務を支援するLUF(東京都港区)は、ベンチャー企業(従業員数150人未満)の採用責任者を対象に「採用予算」に関する調査を実施した。

 調査によると、採用予算の年間総額は「50万円未満」(36.7%)が最も多かった。以降「50万〜100万円未満」(11.8%)、「100万〜200万円未満」(9.6%)、「200万〜300万円未満」(9.0%)と続いた。全体の約6割が年間予算200万円以下で採用活動をしている。

採用予算の年間総額(画像:以下、プレスリリースより)

 LUFは「従業員150人以下のベンチャー企業では、採用予算を適切に管理し、明確な戦略を持たないと長期的な人材確保や競争力の向上が難しくなる可能性がある」と指摘している。

予算管理の不備でどんな影響?

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 採用予算が適切に配分されているか尋ねたところ、51.0%が「そう思う」(「非常にそう思う」「ややそう思う」の合算)と回答した。分類としては「採用手法ごとに配分している(例:求人広告、人材紹介、自社リファラルなど)」が最も多く、47.6%だった。以降「職種ごと」(36.0%)、「採用フェーズごと」(28.7%)と続いた。

採用予算の分類

 一方「そう思わない」(「あまりそう思わない」「全くそう思わない」の合算)と回答した人からは「採用市場の動向や必要なコスト感を把握できていないため」(35.4%)や「採用手法が多様化し、優先順位の判断が難しいため」(30.2%)といった回答が寄せられた。

採用予算をうまく配分できていない理由

 では、予算管理の不備によってどのような影響が出ているのか? 最も多かった回答は「ターゲット人材へのリーチが不足し、採用目標を達成できない」(35.4%)だった。2位は「長期的な人材戦略を見据えた予算配分ができず、目先の採用ニーズに追われる」(24.0%)、3位は「どの施策が成功しているかを正確に評価できない」(20.8%)という結果に。

予算管理の不備により、どのような影響が出てきているか

事業部との連携にも課題

 現在の採用プロセスにおける事業部とのコミュニケーションや情報連携について、53.4% の企業が「満足している」「やや満足している」と回答した一方で、「あまりそう思わない」が19.6%、「全くそう思わない」が11.5%と、合計31.1%の企業が課題を感じていることも明らかになった。

事業部との連携について

 事業部への不満としては、33.3%が「採用後の人材活用計画が不十分である」と回答。以降「緊急採用ばかりが優先され長期的な採用戦略の設計が難しい」(26.0%)、「採用要件が具体的でなく、明確な指示が得られない」(24.0%)と続いた。

採用における事業部への不満

 LUFは「採用部門と事業部門の間で、人材の活用計画や採用要件の具体化、優先順位の設定などにおいて、より密接なコミュニケーションと連携が必要であることを示唆している」とコメントした。

 調査は、ベンチャー企業(従業員数150人未満)の採用責任者を対象にインターネットで実施した。期間は2024年12月27〜29日、有効回答数は322件。

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