「古い社風」の定義 「仕事と私生活の境界線がない」を抑えた1位は?

» 2025年02月28日 09時30分 公開
[ITmedia]

 昨今「JTC」(ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニー)が古い体質を持つ企業を揶揄(やゆ)する言葉となりつつあるが、企業風土の良し悪しをビジネスパーソンはどのように捉えているのか。

 78.4%が「今の職場に古いと感じる風土がある」(「とてもある」「ある」「どちらかといえばある」の合算)と回答したことが、パーソルキャリアが運営する調査機関「Job総研」の調査から明らかになった。

7割以上が「今の職場に古いと感じる風土がある」と回答(画像:ゲッティイメージズより)

 どのような会社の風土を「古い」と感じるのか? 変えた方がいいと思う企業風土や、それらが転職に与える影響などについて調査した。

古い企業風土 「仕事と私生活の境界線がない」を抑えた1位は?

 古い企業風土の定義として最も多く挙げられたのは「上司からの好感度が評価に影響すること」(36.4%)だった。2位は「仕事と私生活の境界線がない」(32.8%)、3位は「上司に逆らえない」(32.6%)という結果に。

古い企業風土の定義(画像:以下、プレスリリースより)

 変えた方がいいと思う企業風土を尋ねたところ、最も多かった意見は同様に「上司からの好感度が評価に影響すること」(38.6%)だった。以降「上司に逆らえない」(30.0%)、「業務外の飲み会、行事参加の要請」(29.1%)、「一方的なトップダウンが多い」(28.0%)と続いた。

 自身にあっている風土としては「年齢、勤続年で給与、役職が決まる」(22.1%)を挙げた人が最も多かった。以降「男性比率が高い」(18.5%)、「ハッキリとした上下関係」(13.9%)と続いた。日本企業の年功序列的な考え方が反映される結果となった。

変えた方がいいと思う企業風土と自身に合っている企業風土

企業風土が転職に与える影響

 企業風土は転職を考える要素になるか。83.3%が「なる」(「とてもなる」「なる」「どちらかといえばなる」の合算)と回答しており、反対意見は少数だった。実際に転職や転職活動など行動に移した人は62.8%に上っている。

企業風土が転職に与える影響

 古い風土を持つ企業への賛否については、69.3%が「反対」(「とても反対」「反対」「どちらかといえば反対」の合算)と回答しているが、「賛成」派も3割以上存在している。

 反対の理由としては、59.6%が「前例に固執し効率が悪い」と回答。その他「時代の変化への対応力が少ない」(56.1%)、「時代遅れの制度やルールが多い」(50.6%)、「ハラスメントを黙認する風潮がある」(45.0%)などが挙げられた。

古い風土の企業に対する反対理由

 Job総研は調査を踏まえ、「企業風土は、属する個人の価値観や雰囲気の積み重ねによって形作られていくため、個人の価値観が変化すれば必然的に風土も変化すると考えられる。そのため企業に属する個々人が、前例にとらわれず、今の時代に本当に必要なことを考え価値観をアップデートしていくことが、変化に柔軟な風土を作ることにつながる」とコメントした。

 調査は、JobQ Town(キャリアや転職に特化した匿名相談サービス)に登録している、現在職に就いている、全国の20〜50代男女653人を対象にインターネットで実施した。期間は2月5〜10日。

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