「オールジャンル」より「特化型」 ラーメンチェーン「上場第2世代」の現状(1/4 ページ)

» 2025年03月11日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

著者プロフィール

山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_


 大手ラーメンチェーンといえば、日高屋、幸楽苑、餃子の王将、大阪王将などが思い浮かぶ。これらの運営元は、いずれも上場企業だ。しょうゆ、塩、みそと1店舗で提供するラーメンの種類が多く、定食が充実しているのも特徴で、いわば「街の中華店」をチェーン化した業態といえる。

 これらに加え、ここ10年は「とんこつ」や「家系」など、ジャンルを絞ったラーメンチェーンを運営する企業の上場が相次ぐ。「博多一風堂」を運営する力の源ホールディングスや、「町田商店」のギフトホールディングスが好例だ。

 今回は、こうした「新参ラーメンチェーン」の特徴を探っていく。

ここ10年で増えた「新参チェーン」の特徴とは(出所:ゲッティイメージズ)

ラーメン店、「上場第1世代」はオールジャンル?

 現在、プライム市場に上場する主なラーメン企業は次の4つだ。

プライム市場に上場している主要ラーメンチェーン

 餃子の王将と大阪王将はそれぞれ730、340店舗ほどを展開。日高屋は主に首都圏の1都3県で約430店舗を展開し、幸楽苑は東北・北関東を中心に約360店舗を展開している(店舗数は各社最新の発表値)。

 各社はメニュー構成が異なるが、ざっくりといえば「オールジャンルのラーメン」を提供している。そのほかのメニューも充実しており、冒頭の通り「中華店」の要素も強い。対して、近年上場しているのはジャンルを絞ったラーメン企業が多く、中華店というよりラーメン店そのものというのが近いかもしれない。

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