「オールジャンル」より「特化型」 ラーメンチェーン「上場第2世代」の現状(3/4 ページ)

» 2025年03月11日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

プロデュース店を軸に展開する「資本系」町田商店

 家系ラーメン店の町田商店を展開するギフトホールディングスは、2018年にマザーズ上場、その後は一部上場へと鞍替えした。同社は2008年に個人経営の家系ラーメン店として創業すると、翌年に法人化し、店舗展開を進めた。

 直営店は2020年に100店舗を超え、2024年10月末時点で227店舗を展開する。とはいえ、同社の中核は同期末時点で500店舗超の「プロデュース店」だ。

 プロデュース店とはフランチャイズ店のようなものだが、本部はロイヤリティーを受け取らない。麺やスープなどの食材を、本部の工場から各店舗に卸売するビジネスモデルだ。食材の卸売を主な収入源とする点で、コメダ珈琲店やシャトレーゼに近い。プロデュース店は、必ずしも屋号を「町田商店」とする必要がないというメリットもある。

家系ラーメンが中心の町田商店(出所:同チェーン公式Webサイト)

 一部店舗ではつけ麺や味噌ラーメンを提供しているが、町田商店のメニューは家系ラーメンが基本だ。そもそも家系とは横浜市の「吉村家」をルーツとする豚骨しょうゆベースのラーメンであり、太麺にほうれん草、海苔などのトッピングが特徴とされる。

 家系ラーメンでは2つ以上の鍋を使い、大量のガラを投入しながら手間をかけてスープを作るのが基本とされる。工場でスープを製造する、町田商店など大手の家系は「資本系」と呼ばれ、コアなラーメンファンには批判する人もいる。資本系の代表格である町田商店を「家系ではない」と断じる人もいるが、家系を一般化させた功績は大きい。

 業界関係者によると、博多一風堂のような豚骨ラーメンブームの後、家系ブームが発生して、他のラーメン店から町田商店に切り替える事業者も多かったという。

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