「オールジャンル」より「特化型」 ラーメンチェーン「上場第2世代」の現状(2/4 ページ)

» 2025年03月11日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

「とんこつ」を世に知らしめた、博多一風堂

 博多一風堂を展開する力の源ホールディングスは、2017年に東証マザーズ市場へ上場した。福岡市のレストランバーとして創業したが、1985年に博多一風堂をオープンし、ラーメン企業として事業展開を進めていった。新横浜ラーメン博物館への出店で関東進出を果たし、テレビ番組での露出も増えて知名度を上げていった。

 2008年には海外1号店としてニューヨークに出店。その後、国内外で出店を継続してマザーズ上場を果たした。直近の決算では、国内で151店舗を展開。海外ではアジアがメインで、140店舗を展開する。

 博多一風堂のメニューは「極 白丸元味」と「極 赤丸新味」という2種類のとんこつラーメンがメイン。その他に「極 からか麺」や店舗限定ラーメンがあり、ギョーザやチャーハン、明太子ごはんなどのサイドメニューもあるが、王将や日高屋のようにラーメンや定食の種類は豊富ではない。

博多一風堂の看板商品「極 白丸元味」(出所:同チェーン公式Webサイト)

 とんこつラーメンは、その臭みを嫌う人もいる。一方、一風堂は独特の臭みを抑えて一般受けするように工夫したことが人気の一因といわれる。内装もラーメン店らしからぬレストランカフェのような雰囲気だ。女性一人でも入りやすい店舗づくりを意識し、店舗の清潔感も一定の評価を受けている。

 コロナ禍で業績が悪化したものの円安の影響で海外事業の売上高が増加。既に以前の水準を上回っている。とんこつラーメンとしては、かつて「なんでんかんでん」が店舗を増やしたものの、本格的な展開に至らなかった。一風堂が初めて、大々的なチェーン化に成功したといえる。

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