名古屋鉄道(名古屋市)は4月から、介護と仕事の両立支援制度を強化する。育児・介護休業法の改正に合わせたもので、同社独自の支援制度を拡充し、介護離職ゼロを目指す。
名古屋鉄道の従業員は、50歳以上が過半数を占める。そのため、介護と仕事の両立が課題となっており、今回の両立支援制度の拡充に至った。
法定水準を超えた独自の施策を実施する。介護休業は、法定水準では93日で無給となるが、名古屋鉄道では5年間まで期間を延長。加えて、1年間は月給の半分相当を支援金として支給する。
介護短日数勤務は期間制限なく認め、介護に関わる手当として扶養する被介護者1人につき月3万円を支給する。介護休暇も被介護者1人で年間12日、2人以上の場合24日(法定水準では被介護者1人で年間5日、2人以上の場合10日)を付与する。
2024年度中に、介護が理由で名古屋鉄道を退職した人数は5人だった。同社は「介護を行っていることを会社に告げていない『隠れ介護者』を含めると、数に現れない相当数が介護を事由に退職している」と捉え、「介護支援に対する施策を一層推進していくことにより、『介護離職ゼロ』を目指す」とコメントした。
2024年8月にMS-Japan(東京都千代田区)が行った調査によると、親の介護で不安な点は「仕事との両立」と「精神的な疲労」(いずれも60.8%)が同率1位、「経済的な不安」(58.3%)が3位となった。MS-Japanは「仕事との両立が実現できない場合は、経済的に不安定になる。この2点は直結した課題だといえる」と分析した。
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