なぜあの人は職場で認められるのか? 「自分にしかできない仕事」の秘密新入社員の教科書(2/3 ページ)

» 2025年03月23日 09時30分 公開
[菅沼勇基ITmedia]
新入社員の教科書 「伸びる人」の習慣 「伸びない人」の習慣』(菅沼勇基/クロスメディア・パブリッシング)

 職人の世界でもそうです。いまは『鬼滅の刃』が幅広い層から人気がありますが、作中に刀が出てくるからといって 、刀鍛冶を独学で始める人はいないでしょう。必ず刀鍛冶の師匠に弟子入りして、代々受け継がれてきた技術をまずは習得します。

 その上で、自分なりの「自己流」を見出し、新しい伝統を形作っていくことで刀剣は美術品となり、高値で取引されるようになるのです。

 このことを「守破離(しゅはり)」と呼びます。基本技術がしっかりと身についた上でなら、独自のやり方で師匠のやり方を「破」り、最後は師匠からも「離」れて、独自の世界をつくっていく。しかし、その前には基本を忠実に「守」っていく段階が必要です。つまり、師匠のマネをして基本を身につける段階です。

 ビジネスでもまったく同じで、その職場で結果を出している上司・先輩を師匠として、マネていく。自己流を見出していくのはそのあとです。

 もしどうしてもマネするべき上司・先輩がいないというのであれば、ビジネス書や自己啓発書でもいいでしょう。

 私の住友不動産時代がそうでした。どうしてもそんな存在がいなかったので、ビジネス書にその存在を探しました。

 最も心に響いたのは、稲盛和夫さんの『生き方』(サンマーク出版)です。

 これを読んだのは、私が大学4年生のときでした。将来的には経営者になりたいという目標があったので、京セラやKDDIを一代で大企業に育て上げた稲盛さんの著書は読んでおかなければならないと思ったからです。

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