山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
すかいらーくホールディングス(HD)が運営するしゃぶしゃぶ店「しゃぶ葉」は、客がきれいに食べ終わった写真を撮るとクーポン券を提供する「こまめどりプロジェクト」を行っている。食材の余りがなく、鍋の中にも食材がなければ券をもらえる仕組みだ。
すかいらーくグループ全体でも、2020年から「もったいないパック」の提供を開始している。フードロスは環境面への負荷だけでなく、店舗の負担にもなっているはずだ。同グループの取り組みは、収益面にどのような影響があるのか。施策の狙いや成果を聞いた。
海外の一部では、飲食店で食べ残した料理を持ち帰る文化が定着している。食中毒になっても店側は責任を負わず「あくまでペット用に持ち帰る」体裁を保つため、英語圏では持ち帰り容器を「ドギーバッグ」と呼んでいるようだ。
日本ではそもそも食べ残しが良くないことだと認識され、店側も容器を置いていないことが多い。当然、拒否する店もある。
そんな中、すかいらーくHDでは先述の通り2020年からもったいないパックの提供を開始しており、食べ残した場合の持ち帰りを推奨している。ガストやバーミヤン、ジョナサンなど各店舗に配布し、客はタブレットで容器を注文して自分で詰める仕様だ。ただし、食べ放題メニューや生ものは対象外としている。また、以前は無料だったが2023年に有料化している。
なぜこのようなサービスを開始したのか。
「以前から、お子さまが食べきれず残してしまったときや、多く頼み過ぎてしまったケースなどを想定し、持ち帰り用の容器を提供していました。認知度をあらためて高めるべく『もったいないパック』と名付け、2020年9月からデジタルメニューブックで注文できるようにし、推奨動画の配信も始めました」(広報担当者)
出荷数は1日約3200個、年間で約117万個と意外に多い。以前は持ち帰れるのを知らなかった客も多く、あらためて命名して利用者が増えたとも担当者は話す。
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