日々リリースされる新しい商品やサービスたち。その商品やサービスには、必ず企業側の思惑や狙い、生活者のニーズ、時代の空気感が反映されている。本シリーズでは、これらの「Insight」を考察していく。
ファミリーマートは3月14日から、人気のスイーツと焼き菓子全5種類を“巨大化”して展開している。売れ行きは好調で、店舗によっては想定以上の速さで予定数に達し、販売終了したものもあるという。
今回巨大化したスイーツは「ながぁーーーーーーいロールケーキ」「デカぁ〜〜〜〜〜〜いクリームシフォン」(いずれも298円)、「ながぁーーーーーーいカスタードエクレア」(325円)、焼き菓子は「大きいフィナンシェ」「大きいバウムクーヘン」(いずれも238円)の計5商品。いずれも通常商品よりも量が多いため、飽きずに食べ進められる味に仕上げた。広報担当者は「ロールケーキとエクレアは長すぎると折れてしまい、バウムクーヘンは商品自体の重さでつぶれてしまう可能性があった。最適な長さや重さを見極めるために試作を繰り返した」と話す。
ファミリーマートは近年、ボリューム感を意識した施策を度々打ち出している。今回の“巨大化”以外にも、2021年から人気商品を値段据え置きで増量するキャンペーン「40%増量作戦」を定期的に実施。これまで、増量の対象となった商品は好評を博しており、通常商品と比べて菓子類は3倍、サンドイッチ類は4倍、スイーツ類は10倍売り上げが伸長しているという。
長引く物価高騰により消費者の節約志向が高まる中、購買意欲を引き出すために値下げに踏み切る企業も多い。値下げではなくボリュームを強化する商品やキャンペーンを実施する理由について、広報担当者は「こうした状況下で『たのしいおトク』を提供することで、買い物を楽しんでいただきたい」と説明する。
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売れ行き好調なファミマ「文具」 なぜコンビニエンスウェアの新ラインとして売り出したのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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