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【事例紹介】ChatGPTで画像生成、自治体業務にも効果大 職員向けに活用法を徹底解説(2/3 ページ)

» 2025年04月18日 07時00分 公開
[川口弘行ITmedia]

自治体業務での画像生成AI活用例

 ChatGPTの画像生成は、自治体のさまざまな業務でクリエイティブな支援ツールとなりえます。ここでは広報・防災・観光・内部資料といった分野別に、具体的な活用シーンを紹介します。

1. 広報資料のビジュアル作成

 市報やSNS投稿、ポスターなどの広報物において、アイキャッチとなる画像を手軽に作成できます。

 例えば新規施策のPR記事に合わせて象徴的なイメージ画像を生成したり、イベント告知ポスターの背景デザインをAIに試作させたりすることが可能です。デザイナーに正式発注する前のラフ作りにも使え、職員自身がイメージを具体化するのに役立ちます。

 「市役所の仕事紹介」記事の挿絵に職員のイラストを起こしたり、キャンペーンテーマに合わせたシンボル画像(例:「花と緑のキャンペーン」に花いっぱいの市章アート)を試作したりするなど、多様な広報ニーズに応えます。

 実際、神戸市では職員がChatGPTを試行利用した際、「2050年の神戸市のイメージ画像を作成して」とプロンプトを出し、わずか数秒で未来都市のビジュアルを得ることができたといいます。このようにビジョン提案資料や将来計画のイメージ作りにも役立っています。

2. 防災ポスター・訓練資料への活用

 防災啓発のポスターや訓練マニュアルにも、AI生成画像が活躍します。避難誘導の様子や非常時の備蓄品チェックリストなど、写真で用意しづらい場面をイラスト化して住民に分かりやすく伝えることができます。

 例えば「避難所で職員が住民を案内している場面」をプロンプトにすれば、それらしいイメージ図を提案してくれますし、「災害時に活躍するゆるキャラ」を描かせて子ども向けポスターに載せる、といった応用も可能です。

 専門のイラストレーターに依頼する時間がない場合でも、ChatGPTなら思いついたその場で複数デザインを試せるため、緊急の掲示物作成にも心強い味方です。

3. 観光案内・地域PRでのイメージ創出

 観光パンフレットや移住促進チラシなどでは、地域の魅力を伝える魅力的なビジュアルが欠かせません。ChatGPTの画像生成機能を使えば、地元の観光名所や風景を題材にしたオリジナルポスター風画像を作成できます。

 例えば「昭和レトロな旅行ポスター風に、○○市の花火大会の情景を描いて」と指示すると、アールデコ調の懐かしいデザインで花火大会を表現した画像が得られるかもしれません。実在の風景写真だけでなく、「もしも〇〇市に○○があったら?」という架空の光景を作成し話題作りにするなど、発想次第でクリエイティブな地域PRが展開できます。

4. 内部資料の図解・プレゼンテーション

 職員研修や会議の説明資料にも、AI画像生成は便利です。複雑な概念や統計情報を図解やイラストにして視覚的に説明したい場合、適切な素材が見つからないことがあります。

 ChatGPTなら「組織のワークフロー図をシンプルなアイソメトリックイラストで描いて」と頼むことで、オリジナルの図を生成してくれます。このように、専門知識の共有や啓発資料のビジュアル補強にも使えます。また、庁内報告のプレゼン資料で、アイコンになるな絵やユニークな挿絵を入れて注目を引くといった演出も容易です。

 自治体では、写真やイラストの素材集を購入する予算が潤沢にあるわけではありません。そのため、自治体が発行するチラシや庁内向けの案内には、使用条件のハードルが比較的低い「いらすとや」のイラストがよく用いられていました。

 「いらすとや」のイラストは、タッチが優しいので親しみやすいのですが、どの自治体のどのチラシを見ても、同じ挿絵が入っているので、「またか!」と思うこともありました(よね?)。そんな時、画像生成機能を使うことで、それぞれの自治体のオリジナリティーを出すこともできるかもしれません。

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