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こんにちは。全国の自治体のデジタル化を支援している川口弘行です。
ChatGPTは画像生成機能も備えていることをご存じでしょうか。
テキストで「〜な画像を作って」と指示すれば、AIがその場でオリジナル画像を描き出します。この機能により、自治体職員の方でも専門知識がなくても簡単にイラストや写真風画像を入手でき、広報や資料作成に役立てることができます。
そして最近、この画像生成機能が大幅に改善され、さらに活用の幅が広がりました。
本記事では、ChatGPTの画像生成機能の基本と使い方から、自治体業務への具体的な活用例、画像中の日本語テキストを修正するコツ、さらにはプロンプト(指示文)の例や使用上の注意点まで、包括的に解説します。対話しながら理想のビジュアルを作り上げる最新AI技術をぜひ業務改善に役立ててください。
川口弘行合同会社代表社員。芝浦工業大学大学院博士(後期)課程修了。博士(工学)。2009年高知県CIO補佐官に着任して以来、省庁、地方自治体のデジタル化に関わる。
2016年、佐賀県情報企画監として在任中に開発したファイル無害化システム「サニタイザー」が全国の自治体に採用され、任期満了後に事業化、約700団体で使用されている。
2023年、公共機関の調達事務を生成型AIで支援するサービス「プロキュアテック」を開始。公共機関の調達事務をデジタル、アナログの両輪でサポートしている。
現在は、全国のいくつかの自治体のCIO補佐官、アドバイザーとして活動中。総務省地域情報化アドバイザー。公式Webサイト:川口弘行合同会社、公式X:@kawaguchi_com
ChatGPTの画像生成機能は、チャット画面に希望する画像のイメージを文章で入力するだけです。非常にシンプルです。
例えば、「都市の夜景を描いたポスターを作って」と日本語で依頼すれば、その内容を読み取って自動的に画像が生成されます。
実は前回の記事でも、この画像生成機能を使った図を使っていました。記事の文面(20行ほど)をコピー&ペーストして「この文章を説明するための図をグラレコ風にして描いて」と指示していました。記事中のどこの部分を使って画像生成させたのかは、みなさんでチェックしてみてください。
なお、生成された画像は基本的に利用者の所有物となり、印刷物やWebでの利用、商用利用も含め自由に使用できますので、自治体の発行物やホームページ、ポスターなどにも安心して活用できます。
ただし公序良俗に反する内容や、特定の著作物・キャラクターに酷似した画像の生成は、他者の権利を侵害する可能性があるため、留意する必要があります。
良い画像を得るにはプロンプト(指示文)の工夫が重要です。
ChatGPTへの指示は日本語で構いませんが、なるべく具体的かつ明確にイメージを言語化することで、生成結果の精度が上がります。
上記のように目的や対象に合わせてスタイル指定することで、広報誌向けの柔らかいタッチから研修資料向けのシンプルな図解まで自在に生成できます。実際、ChatGPTにプロンプトの相談をすることも可能です。「〜な画像を作りたいが、プロンプトの書き方を教えて」と尋ねると、モデル自ら詳細な指示文を提案してくれるため、慣れないうちはAIと対話しながら内容を練り上げるのも良いでしょう。
さらに最近のアップデートでは、プロンプトだけでなく、元になる画像や写真を読み込ませ、それらを加工することもできるようになりました。
この機能がリリースされた直後は、ネット上に「スタジオジブリ風の自画像」が溢(あふ)れかえるという現象が起こりました。
この他に、写真の背景を透明化(切り抜き)や、複数の写真を読み込ませて結合させる、と言った処理までできるようになっています。一つ配慮しておく点は、読み込ませる画像や写真にも著作権や肖像権(著名人の場合)があるということです。
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