ローソンが3月11日に発売した、ボリュームたっぷりな新商品「よくばり合体メシ」「よくばりセットメシ」シリーズ(以下、よくばりシリーズ)が好調だ。同社は盛りすぎチャレンジなど量に特化した商品展開に注力しており、よくばりシリーズもその一環となる。開発の狙いを、担当者の大澤勝司氏(商品本部 デリカ・厨房部 シニアマーチャンダイザー)に聞いた。
「よくばり合体メシ」はチャーシューのせチャーハンと唐揚げ2個、ゆで卵をのせた焼そばを組み合わせた「炒飯&中華風焼そば」、オムライスとナポリタンをワンプレートにした「オムライス&ナポリタン」(いずれも743円)の2種類。「よくばりセットメシ」はちくわ天、鶏天をのせた冷しうどんと、いなり寿司を組み合わせた「冷しちく鶏天うどん&いなり」(697円)の1種類だ。
ローソンがよくばりシリーズを開発した背景には、長引く物価高がある。「消費者はお金を払うからには、満足感やボリューム感を求めるようになっている」(大澤氏)。実際、ローソンの商品売り上げを分析すると、同じ価格帯の商品なら、少し高くてもボリュームがある商品の方が好調だという。
よくばりシリーズ開発時にこだわったのは、一目で分かる「ボリューム感」「お得感」を訴求すること。そこで、「よくばり合体メシ」は500グラム以上かつ、1000キロカロリー超えを条件にした。大澤氏によると「コストを考慮しながら、重さとカロリーの制約を超えるのはかなり苦労した。最終的にお米と麺類という2つの主食を組み合わせることで、条件をクリアした」と振り返る。「よくばりセットメシ」には重量とカロリーの制約はないものの、同じくお米と麺類でボリューム感を出した。
大澤氏によれば、弁当全体の購入者の男女比は7:3。よくばりシリーズに限ると8:2となり、男性人気が高いことがうかがえる。メインの購買層も30〜50代男性で、「購買データを見ると、よくばりシリーズ単品だけでなくからあげくんレッドやシーチキンマヨおにぎりを一緒に購入される人が多い」(大澤氏)
よくばりシリーズは発売後、新商品ながら売り上げ上位5商品にランクインしている。「これまでの経験上、洋食系のメニューはなかなか売れ筋にならないと考えていた。しかし、実際はオムライス&ナポリタンが特に人気で驚いた」(大澤氏)
よくばり合体メシからは、5月27日に「炒飯&麻婆焼そば」「ドライカレー&ナポリタン」(いずれも743円)の2商品の発売を予定している。メニューは時期によって変更するものの、よくばりシリーズは今後も継続し、ローソンの新定番へと育てたい考えだ。
ボリュームに特化した商品が売り上げをけん引する一方、女性やシニア層からは「通常の弁当でもご飯が多い」という声が寄せられているという。こうした声を受けて、ボリュームだけに特化するのではなく、あえてご飯を少なめにするなどよくばりシリーズとは相反する商品を検討中だとか。二極化するローソンのボリューム戦略に注目だ。
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