GMO社長が実践 新聞や書籍の“一風変わった”読み方とは

» 2025年05月23日 07時00分 公開
[熊谷正寿ITmedia]

この記事は、『一冊の手帳で夢は必ずかなう』(熊谷正寿著、かんき出版)に掲載された内容に、かんき出版による加筆と、ITmedia ビジネスオンラインによる編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。


一冊の手帳で夢は必ずかなう

無数の情報をインターネットから得られるようになって久しいが、「新聞」「雑誌・書籍」からしか得られない情報や知識もたくさんある。GMOインターネットグループを率いる多忙な熊谷正寿氏が「新聞」「雑誌・書籍」の効率的な読み方を解説し、その活用方法についても紹介する。


 情報の集め先として私は、「新聞」「雑誌・書籍」というソースを頼りにしています。それぞれの見方・読み方にもコツがあります。

 まず新聞ですが、私は「新聞には全ての情報がある」と思っています。これは父から教わった言葉で、本当にそうだと実感しています。

 新聞には、何千、何万人もの新聞記者が世界中を走り回り、「足で得た情報」が満載されています。電波全盛のご時世とはいえ、いまだに「第一報は新聞」という情報は多いし、余計な憶測や情緒的な記述がない分、事実を端的・正確に知るのに適しています。

 私の購読紙は、20代のころから毎日欠かさずにチェックしている日本経済新聞、日経産業新聞、日経流通新聞と、上場してから読み始めた日経金融新聞の4紙です。実に「仕事チック」な顔ぶれ! 朝日や読売などの一般紙を購読していない点は、一風変わっているかもしれません。

 これら四紙を、私は朝6時に起きるとすぐに、床に広げて読み始めます。

GMO社長が実践 「新聞」の一風変わった読み方

 読み方にも独特の姿勢があって、まずヒザをついて床にすわり、ちょっと屈んだ姿勢で赤ペン片手に活字を追うのです。ミソは、新聞を読むときのこのスタイル。ある程度の距離をおいて新聞を「見る」ためです。新聞の見開きページに記載されている全ての記事がパッと目に入るので、私にとって重要な記事を見落とす危険が少ないわけです。

 そしてざっと見て、気になった記事を赤ペンで囲い、先ほどの姿勢のまま、その記事をじっくり読みます。そして、読んでとくに重要だと思った記事は、余白に日付を記入して、その記事をページごと切り取ります。切り出した記事は手帳サイズに折って、手帳のリフィルに貼り付け、ちょっと時間があいたときなどに、何度もじっくり読み返すようにしています。このときも右手には赤ペンを持ち、大事なところに丸をつけたり、線を引いたりしています。

 広告ページも、同じ要領で目を通します。とくに本の広告は、「読みたい!」と思った本の記事を赤ペンで囲み、「購入」と記載して、やはりページごと切り取ります。

 これら切り取った新聞の断片を、秘書さんに処理してもらいます。つまり、必要な記事だけをきれいにカットし、「購入」と書かれた本をアマゾン(Amazon.co.jpオンラインストア)に手配するようにお願いしているのです。

雑誌・書籍を読むときのコツ

 雑誌については、現在定期購読しているものが、金融とウェブ関係の雑誌を中心に30誌ほどあります。雑誌は新聞と違って床に広げられないので、最初に目次を読んで、見出しで引っ掛かった記事だけを読むようにしています。

 もちろん、片手には赤ペンを握っているし、重要な記事は新聞と同様の方法で手帳にファイルします。

 書籍は、夢や目標を達成するために必要だと思われるテーマの本を、片っ端から買っています。仕事が忙しいので、注文はもっぱらアマゾンです。

 おもに、新聞・雑誌の広告や書評欄を見て「これは勉強したいテーマだな。興味のある分野の話だな。ほしい情報が詰まっていそうだな」と思ったものをオーダーしていますが、ときには「こんな本がないかな」とネットで検索して買うこともあります。

写真はイメージ、ゲッティイメージズ

 最近の例で言うと、速読術の本なんていうのを、わざわざ検索して購入しました。私はとにかく、たくさんの本を読みたいので、この種の本が「読む効率を向上させる」目的で必要なのです。

 20代のころに設定した「速読術を身につける」という目標はいまだクリアしておらず、今もなお研究を続けています。

 ただし、本を買うときはいつもアマゾンを利用しているというわけではありません。自分の足で「本屋に行く」ことも大切だと考えています。というのも、新聞などの広告には掲載されない多くの本の中にも、私が必要とするいい本は無数にあるからです。できるだけ時間をあけて、二週に一度くらいは本屋さんに足を運びたいので、定期購読をしている雑誌を宅配ではなく「本屋まで取りに行く」という入手スタイルを採用しているほどです。

本は読むだけではなく「書く」

 本屋に行くと私は、棚から棚へと渡り歩きながら、これと思ったものは悩まずにポンポンと買っていきます。

 言うまでもなく、私は本も、赤ボールペン&シャープペンシルを片手に読みます。重要なところに赤ボールペンで線を引き、本の一文から思いついたアイデアや生じた疑問をシャープペンシルでメモするためです。ですから、私の本の背表紙や余白はメモだらけです。

 格言のような短い一文なら、必要に応じて、ポストイットに書いて手帳に貼ることもありますし、手帳に書いている「ライバルに負けるな」とか「開かれた心を持て」といった項目の一ページに、数行の文章を書き写すこともあります。

 おかげで、自宅の一室を書庫とする私の蔵書はどれも、線だらけになっています。背表紙やページの余白はメモでいっぱいです。これは、学生さんが教科書に線を引いたり、余白に先生の言葉をメモしたりして勉強するのにも似たスタイルと言えるでしょう。

 単に文字を読むのではなく、こういう「書く」という行動があるから、「感動した内容は大抵、いつでも思い出せる」状況を作り出すことができるのだと思います。重要な情報が脳に強烈にインプットされる分、記憶中枢に残りやすいのです。

 私は会社から家へ電話をして、「〇〇ジャンルの棚にある××という本を見て、赤線が引いてあるところを読んでくれ」などと頼むこともできるくらいです。

筆者プロフィール:熊谷正寿(くまがいまさとし)

1991年、株式会社ボイスメディア(現・GMOインターネットグループ)を設立。2025年3月末現在、上場企業10社を含む119社のグループ企業、約8000人のパートナー(従業員)を率いる。仕事のみならず、健康、精神、教養、プライベート分野でも手帳に書いた夢を次々と実現。現在は、小型のホンダジェットで計器飛行証明の取得にチャレンジしている。


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