コロナ禍を経て、ビジネスシーンではオンラインでのミーティングがすっかり定着した。オンラインは対面に比べると、ルールが曖昧でビジネスマナーが確立されていない側面もあり、目線、服装、仕草、背景の設定などで、相手に残念な印象を与えてしまうケースもちらほら見られる。
著書『学校でも会社でも教えてくれない 見た目の教科書』(ダイヤモンド社刊)で、印象アップや信頼関係構築に必要なスキルを提言している、印象戦略コンサルタントの乳原佳代氏に、オンラインミーティングの際のイメージ戦略で重要なポイントを聞いた。
――リモートワークで自宅からオンラインにつながる場合、「プライベートと仕事の境界線が曖昧になってしまう」という声を聞くことがあります。ついついラフな服装で会議に出たら、周りはみんなスーツで冷や汗をかいた、といった経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
相手がスーツでオフィスから参加される想定の時に、いくらこちらは自宅であっても、丸首のTシャツ、パーカーみたいな、部屋着っぽく見えるものの着用は避けたほうがいいですね。
相手が会社に通勤されているということを尊重して、こちらはせめて襟付きのシャツ以上、丸首のシャツなら、ソフトな素材のジャケットを羽織る。女性であれば、せめて編み目の細かいニットやブラウス以上でないと、やっぱり礼に欠くと思うのです。
オンラインでの洋服は、相手の立場、場所、時間帯などに対して配慮できることが大切になってきます。取引先など社外の方とのミーティングの場合は、より一層心遣いが求められます。戦略というと、なんだか戦闘モードのようですが、実は相手への思いやり。お互いに温かな気持ちになり、こちらの主張を受け入れていただく信頼関係を築くということなのです。
――先方の情報が少なくて、着る服を迷ってしまう時もあると思います。その場合、何を念頭に置いて服を決めるといいでしょうか?
服には格があります。Tシャツなど丸首のものは、最もカジュアルです。次にビジネス用ポロシャツやワイシャツは、丸首に比べてちょっと格が上がります。そこにジャケットを羽織ったり、ネクタイをすることによって、よりフォーマル度が上がるんですね。
自宅から参加される場合、あえてスーツを着る必要まではないと思います。ただし、初対面の場合やこちらが何か依頼をする立場であれば、少なくともソフトジャケットはお召しになるべきで、さらに謝罪となるときちんとしたスーツをお召しになる方が間違いはないと思います。
相手を判断するのに0.1秒で十分という統計があります。つまり言葉を発する以前に、お互いに見た目で見極め合っている事実は避けられないのです。
――服の格でこちらの心持ち、誠意も伝わるということですね。
そうです。服装はオンラインの画面の中でもかなりの分量を占めるので、印象に残りやすいんです。だから、服装次第でイメージを良くも悪くも変えることができるということなんですよ。
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